2014.2.3衆議院予算委員会議事録<柿沢未途>

柿沢委員 柿沢未途でございます。よろしくお願いします。

安倍総理、先日の本会議の施政方針演説で、安倍総理の演説を聞いて、おおと思ったところがあったんです。それは、安倍総理が永代橋の話をしてくださったことなんです。

私の地元の江東区深川の町を象徴するのが永代橋という橋でございまして、江戸のころは大川と呼ばれた隅田川、その隅田川にかかる青空のような澄み切ったアーチ形のブルーの永代橋は、国の重要文化財にも指定されております。

江戸の三大祭りの一つである富岡八幡宮の本祭り、みこし連合渡御、クライマックスがこの永代橋なんですね。各町会みこしの五十三基がワッショイ、ワッショイ言いながらあの永代橋を渡って、隅田川を渡って、門前仲町、富岡八幡宮のお宮に戻ってくる、これがお祭りの最後のクライマックスなんですね。

永代橋の先には富岡八幡宮があり、その先には木場という町があります。伝統的に木材業の町で、今は材木屋さんというのは新木場というところに大方移転をしてしまっておりますけれども、しかし、江戸から続く木の町としての色彩を色濃く残している町です。

この江東区に、二〇二〇年、東京オリンピックとパラリンピックがやってくる。オリンピックの二十八競技中十五競技が、私の地元でもありますが、江東区で開催をされるということで、地元の皆さんは大変期待感で胸を膨らませているという状況でございます。

古来、日本文化は木の文化でした。神社仏閣、おみこしも、また人の住まいも、全て木の文化です。そこで、オリンピック施設も国産材初め木造でつくったらいいじゃないか、こういう利用を進めよう、こういう機運が高まっている状況なんです。

思い出すのは、一九九八年の長野オリンピックなんですけれども、私は当時、NHKの記者として、先ほど籾井会長お見えでございましたが、別の案件でございましたけれども、しかし、これからソチ・オリンピックがありますけれども、一九九八年の長野オリンピック、私はNHK長野放送局の記者として、現場でオリンピックの取材をさせていただきました。

オリンピックではスピードスケート会場、パラリンピックでは開会式の式場となったエムウエーブという建物が長野市にあります。これは、写真のパネルで見ていただくとわかりますけれども、信州の山並みを象徴した、非常にユニークな外観、建物です。内装は、ごらんのとおり、信州産材のカラマツの間伐材、これを集成材にして、そして、当時例がなかった大型のつり天井にして利用した、こういうものであります。

戦後の植林でカラマツというのはふえていったんですけれども、これは、住宅等の材としては、ねじれたり、曲がったり、狂ってしまうので、なかなか使い道がなかったんです。しかし、エムウエーブでの利用を一つのきっかけにして、集成材としての利用が進むようにもなりました。そういう意味では、カラマツの利用という意味でエポックメーキングな建物が、この長野オリンピック会場となったエムウエーブでもございます。

平成二十二年には、公共建築物における木材の利用の促進に関する法律が制定されておりまして、国や地方自治体が率先をして木材利用の促進を進めていく、こういう方針が示されております。

オリンピック施設も、国や都が建てるわけですから、これは公共建築物の一つと言っていいんだというふうに思います。法律の趣旨も踏まえて、東京オリンピック・パラリンピック、二〇二〇年の競技施設、また選手村の整備に当たって、こうした木材利用を積極的に進めていくべきだと私は考えます。

全部が全部木造というわけにもいかないかもしれません。一つぐらい、こういうエムウエーブみたいな木造の施設をつくっていただきたいなとも思うんですけれども、しかし、全部が全部木造とはいかなくとも、例えば、内装に木を使うとか、あるいは欄間のような建具をあしらってみるとか、こういう利用の仕方がいろいろとあって、これはまさに、木の文化の日本文化を生かした、世界じゅうのお客様、アスリートのおもてなしの仕方の一つだ、こういうふうに思います。

これはまさに、国の方針として、ぜひオリンピック、パラリンピックに当たって進めていただきたいと考えますが、安倍総理、見解をお伺いします。

〔林(幹)委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 大変いい御提案だと思います。

私は、小さいころ、材木町というところに住んでおりました。しかし、今、木材について言えば、なかなか数字も含めて非常に厳しい状況になっているわけでございまして、森林を維持していく上においても、しっかりと国産材が活用される、そういう状況をつくっていくことによって美しい山を守っていかなければならない、こう思っているわけでありますが、その中におきまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの主要施設の整備に木材を利用するということは、国内外の人々に木のよさをアピールする絶好の機会となるのではないか、このように思います。

木材の利用促進についての理解も効果的に図られるのではないか、こう思うわけでありまして、このことを契機に木材の利用促進が図られていけば、地域経済の活性化や、森林の有する国土保全、水源の涵養等の多面的機能の発揮に貢献し、安倍内閣で掲げております、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現にも資するものと考えております。

このため、今後整備される各種施設については、農林水産省と文部科学省、東京都等との連携を密にさせまして、木材利用の促進に取り組ませていきたい、このように思いますし、同時に、やはりしっかりと森林を守るためにも努力を重ねていきたい、こう思っているところでございます。

柿沢委員 安倍総理、施政方針演説の永代橋に続いて、地元の皆さんは喜ぶと思いますよ、これは。本当にありがとうございます。大変力強い御答弁をいただきました。

そういいながらも、実は、二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックの関連施設のうち、国が国費を投じて建てるというのは国立競技場だけなんですよね。その他の施設は、基本的に東京都の負担で建設をすることになると思います。

したがって、施設建設の基本方針やガイドラインをつくるに当たって、下村オリンピック担当大臣・文部科学大臣、組織委員会会長の森元総理、あるいは、今度誰になるかわかりませんけれども、東京新都知事、竹田JOC会長等、例えば四者による調整会議をされると思いますけれども、こういう場において、新都知事に対してオリンピック担当大臣から提起をしていただく必要があると思うんですけれども、大臣の見解をお伺いします。

下村国務大臣 御指摘のとおりだと思います。

先日も、柿沢委員地元の江東区の山崎区長から、ぜひ木材を使ったオリンピック競技施設をつくってほしいという要望を受けました。

地元では、既に、オリンピックビレッジプラザ、これは選手村に隣接するところですが、ここは、日本の伝統的な建築様式を取り入れ、木材を使用するということを東京都も決めているようでございますし、また、御指摘のように、国立競技場においても、内装等は木材を積極的に使いたいと思いますが、これから、組織委員会の調整会議等で、きょうの御意見を踏まえて、日本的な木造建築をぜひこの競技施設の中で積極的に活用するように、私の方からも申し入れをしたいと思います。

柿沢委員 ありがとうございました。

このエムウエーブのようなエポックメーキングな競技施設を、ぜひ実現を期待したい、こういうふうに思います。

続きまして、では、補正予算案の中身の話に入ります。

補正予算の分厚い予算書を手元に持っておりますけれども、補正予算を組める場合というのは、言わずもがなですけれども、財政法上に規定があって、これこれの場合に限り補正予算を作成することができると明確に書いてあるわけです。

財政法二十九条、引用しますが、

内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。

一 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合

二 予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合

こういうことであります。

さて、今回の補正予算案ですけれども、この財政法二十九条に定められているような、予算作成後に生じた事由に基づいて特に緊要となった経費の支出、このような支出項目のみによって編成されている、こういうものだということでよろしいでしょうか、財務大臣。

麻生国務大臣 財政法上、二十九条は今お読みになったとおりなので、これに伴いまして、平成二十五年度の補正予算というものの内容ですけれども、これは、昨年の十月に、消費税の税率引き上げ判断というのが行われております。それに伴いまして、昨年十二月に閣議決定をされております好循環実現のための経済対策というのを実施に移すために編成したものであります。優先順位の一番はこうです。

このため、本補正予算案では、消費税の引き上げを本年四月に控えておりますので、まさに緊急に必要となります消費税引き上げに伴います経済の反動減を緩和すること、そして、経済を成長軌道へ早期に復帰させることを目的とした施策を限定して計上していると御理解いただければと思っております。

本年四月以降、早期に需要拡大を発揮させることができると考えておりまして、内容につきましては、競争力の強化、また安全、安心等々、低所得者の影響緩和、駆け込み需要等々、いろいろ書いてあるのは御存じのとおりです。

柿沢委員 つまりは、財政法二十九条に照らして、いわゆる特に緊要となった経費の支出、こうしたことによってのみ構成されている、こういう御認識ということでよろしいですね。

では、具体的に聞いてまいりたいと思います。

補正予算案、総額五・四兆、これは切り下げておりますけれども、とにかく、やはり今回、先ほども質疑者からいろいろ出ておりましたけれども、基金の造成や積み増しが多いことに気づかされます。五・四兆の中に、合わせて四十九件、一・二兆円を超す基金事業が入っております。

これは、基金というのは、使うときに備えてあらかじめお金を積んでおく、こういう趣旨のものを基金というわけですから、支出時期というのはそもそもはっきり確定をしない。そういうことは、そもそも緊急性というものが余りない、財政法の言う、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出というものには当たらない、補正予算にはなじまないものなんじゃないかということがかねてから言われているものであります。

今回の補正ですけれども、下に書いてありますとおり、これらの基金が積まれております。森林整備加速化・林業再生整備費の都道府県の基金の積み増しというのが、ことしも補正に五百三十九億積まれているわけであります。

先ほどのお話を聞いていただければわかるとおり、私は、林業再生あるいは木材の利用、こういうことについては前向きな人間だと思っています。しかし、平成二十四年度当初予算になかったものが、昨年の補正でも九百億ぼんと積まれて、これは何だということで予算委員会で取り上げた、そうした経過があるものです。平成二十五年度も、当初予算では、この基金、計上ゼロが、いきなり五百三十九億円、ことしも補正にあらわれてまいりました。しかも、去年の予算委員会で私、指摘をさせていただきましたけれども、この森林整備加速化・林業再生の基金事業というのは、木造公共施設やバイオマス利活用施設等の整備に補助を出す、こういうものでありますが、最近では、復興予算が千四百億ここに入ってきて、林道の整備に使われた、流用じゃないか、こんなことも言われたりもしました。

これは、費用対効果の積算が根拠不明な数字に基づいている、こういうふうに会計検査院が平成二十三年度決算検査報告で厳しい指摘を行っているものであります。

いわく、例えば、木造の保育園をつくりました、そこに来る人が、ああ、木材はいいな、木造はいいな、こういうふうに感じて自分で木造の家を建てる、こういう需要誘発効果というのを、来た人千人当たり一人、〇・一%、こういうふうに算定をしています。しかし、この千人に一人が、来た人が木造の住宅を建てるというこの積算の根拠というのは全く何も示されていない、根拠不明だということを指摘されています。

しかも、保育所のケースですけれども、子供を毎日送り迎えする親御さんの何と延べ人数を利用者数にカウントしていて、利用者数を、毎日来る人たちですよ、二万人分もこれで膨らませていたというんですね。

さらに、木造公共施設をつくると、同じような木造の公共施設を建設したいという例えば自治体やあるいは民間事業者があらわれて、木造公共施設の建設を誘発するということで、この誘発割合を一施設当たり〇・七八施設という算定をしていたんですけれども、これも算出根拠は不明である、こういうふうに指摘をされております。

こういう根拠不明な費用対効果の積算をやっていた事業に計百四十億円近くの補助金が基金から支出されていた、こういう指摘をつい十月に受けたばかりなのに、まるで関係ないかのように、平成二十四年度、昨年度の補正予算に九百億円も基金の積み増しをやっていたわけであります。これはおかしいじゃないかということを、昨年のこの予算委員会の補正予算の審議で御指摘をさせていただきました。

今回の補正予算、平成二十五年度の補正予算を見たら、この予算書に、またこの基金事業に五百三十九億積んであるわけです。これはどうなっているんでしょうか。どういう見直しを行って、そしてこの五百三十九億円を積んだのでしょうか。農水大臣、お願いします。

林国務大臣 今お話のありました木造公共施設の整備事業ですが、委員から御指摘が今あったように、会計検査院から、事業を実施する際の費用対効果分析、BバイCについて指摘を受けておりました。地域間の交流が図られる効果額等が適切に算定されていない、今ちょっと具体的に御指摘がありましたが。それから、効果額算定に用いられる係数が検証困難となっていると。

この指摘を受けまして、昨年四月に有識者会議を設置いたしました。費用対効果分析における各種効果、算定方法、係数等のあり方について検討してまいりまして、今回、補正予算で措置する事業については、有識者会議の検討結果を踏まえて見直す算定方法等により実施をするということにしております。

具体的には、今お話のありました、例えば、千人に一人、住宅を、地域材需要拡大効果を算出する際の因子、建てたくなるというふうに思うというような因子ですとか、それから〇・七八という係数、こういうものはもう使わない、こういうことにしておるところでございます。

柿沢委員 その見直しの通知をされていることは、私も存じております。平成二十五年四月三十日付で通知をされているわけですけれども、しかし、この通知を見ますと、今おっしゃられた、私も指摘をした、〇・一は使うな、〇・七八は使うな、根拠不明だと言われた数字は使うなということがいわば書いてあるだけなんですよ。

この五百三十九億について、どういう形で実施要領をつくって、そしてガイドラインをつくって、そして費用対効果の算定をチェックしていくのかというのは、これは農林水産省のお答えですよ、補正予算が成立してからそれを示すんだ、こういうことを言っているわけです。

これが、五百三十九億、算定として、見積もりとして、これだけがこの根拠で必要だということを根拠立てて言えるものではなくなってしまうのではないですか。つまり、費用対効果の算定をして、本当に正当化し得るような支出にこの五百三十九億が充てられるということが、今、この現時点においてはまだ定まっていないということではありませんか。

林国務大臣 今申し上げましたような、御指摘のあった、会計検査院から指摘のあったようなものについて検討した結果、これは使わないというものもございますが、それ以外の具体的な算定方法等については、耐用年数についてとか、それから交流資源の利用効果、延べ人数の算出や費用の算出等々、それから炭素の貯蔵効果、炭素の排出の抑制効果等々については、別途基準をつくって、そういうものを使いながらきちっとBバイCを出してもらうように、こういうふうにしたところでございます。(発言する者あり)

柿沢委員 今、長妻理事がおっしゃっていますけれども、これを示してもらわなければ、妥当な予算として計上されているものかどうか、チェックができないじゃないですか。

これを出してもらわなければ、予算の中身の精査という意味では全く不十分で、これでは本当に議論にならないというふうに思いますので、その資料をぜひお示しいただきたい。理事会で協議していただきたいと思います。委員長、お願いします。

二階委員長 後刻、理事会で協議します。

柿沢委員 はい、ありがとうございます。

そもそも、この基金事業、平成二十一年度に始まって以来、この基金積み増しを何でずっと補正予算で計上しているんですか。毎年補正に計上するんだったら、本予算に組み込めばいいのではないですか。結局、経済対策としてのボリュームをつくらなければいけない、そして、編成期間も短くて査定の甘い、こういう補正予算だからどんと積めるんだ、こういうことで毎年毎年補正でやってきたということなのではないですか。今、手が挙がったので、お答えください。

林国務大臣 これは前回、予算委員会であるいはお答えしたかもしれませんが、平成二十一年度の補正予算から二十二年度の予備費、二十三年度の三次補正、二十三年度の四次補正、二十四年度の補正ということで、それぞれその都度、例えば、二十四年度の補正は、円高基調でございました、したがって、輸入木材に対抗し得る強い林業、木材産業を緊急的に構築すること、そういうもので、これは中にいろいろメニューがございまして、その都度いろいろなメニューを、これは使える、これは使えないということでやってまいりました。

今回は、先ほど財務大臣からお話がありましたように、消費税率引き上げに伴う木材需要の反動減を回避するということで、補正ということで計上させていただいたということでございます。

柿沢委員 要するに、毎年毎年違う名目をつけて、緊急だといって何百億も積んでいる、こういうことをおっしゃっているのかというふうに思います。それが本当に正当化し得る御答弁なのか、これは聞いている方、見ている方が判断をすることだというふうに思いますが、次に行きたいと思います。

緊急人材育成・就職支援基金、これは臨時特例交付金として、今回、二百三十三億円の基金積み増しが行われているものであります。これも、当初予算はゼロなのが、補正で二百三十三億です。若年失業者等に職業訓練を行う、そのため事業を行う中央職業能力開発協会、ここに基金をつくっているものです。今回の補正では、短期集中特別訓練事業、民間人材ビジネス活用による労働市場機能強化事業、若者育成支援事業、こういうものを行うために、この二百三十三億を積んでいるということなんです。

しかし、この基金事業、これまでもいろいろな名目で基金の積み増しが行われてきたんですけれども、使い切れずに余しているケースが多々見られるものなんですね。例えば、成長分野等人材育成支援事業というのがこの基金を使ってやられていますけれども、平成二十二年度補正で五百億円、基金に積んでいるんですけれども、平成二十五年度の上半期まで二年半で、五百億の積んだ基金のうち、わずか六十億しか使われていない。

この緊急人材育成・就職支援基金、これも会計検査院の指摘を受けていて、つい去年の十月です、公表されたばかりの平成二十四年度の決算検査報告、これで、新規受け付けが終了していたのに国庫返納の措置がとられていない金が二十六億円分もあった、早く国庫返納しなさい、こういう指摘をされております。こうした指摘を受けたものなのか、現に、昨年九月、この基金から七十九億円が国庫返納されています。

こうやって、ずっと、使い切れない基金事業をやって余してきたんですよ。こういう基金に、なぜ、二百三十三億、補正で新規に積むんですか。お尋ねします。

田村国務大臣 お尋ねの緊急人材育成・就職支援臨時特例交付金、基金事業でございますが、今委員がおっしゃられましたとおり、二百三十三億円、三つの事業の方に今回積み増しをさせていただく予定でございます。

一つは、今言われたとおり、短期集中で特別教育をやる、これは、中身といたしましては、余り、就職経験の少ない方々、そういう方々に対して、事情等々、例えば就職意欲でありますとか今までの経験、能力、こういうものに応じてきめ細かく訓練をしていくもの。それからもう一つは、民間人材ビジネス業、こういうところを利用しながら、それこそ派遣業で紹介予定派遣、こういうものを使って若者や女性、こういう方々のマッチングを行う事業。そしてもう一つは、地域若者サポートステーション、これはニートの方々に対してきめ細かく対応していって、就職につなげていく、こういう事業でございます。

これは、今、経済の好循環ということで、これを実現するための今回の補正予算であるわけでありますが、やはり、消費税が上がる中において、特に若い方々が、長期にわたって離職をされるとなかなか職業意欲というものも少なくなっていくということもございまして、これは緊急に対応していかなきゃいけない部分があろうということでございます。あわせて、民間のいろいろな方々に力をかりるわけでございまして、その選定等々にも時間がかかるということでございまして、そういう意味で、今般、このような形で補正予算に上げさせていただいた。

この中において、先ほど言いました地域若者サポートステーション、これに関して、言われるとおり指摘をいただいております。例えば、PDCAサイクル、これをしっかりと検証する必要があるのではないか。それから、生活困窮者自立支援事業、こういうものも今動いてきておるわけでございまして、これとのすみ分けをどうするんだ。さらには、学校との連携、これはニートの方々に関して学校としっかり連携をすべきではないか。

こういう御指摘をいただいておりますが、必要な事業ではございますので、そこのところをしっかりと我々も見直しながら、この事業を進めさせていただきたい、このように思っております。

柿沢委員 御答弁をいただきましたが、この緊急人材育成・就職支援基金、この基金事業は、先ほど申し上げたように、数十億円、本当はもっと多いと思いますけれども、こうした基金を余して国庫に返納するような、そうしたことになっているようなものだということをぜひ御理解いただきたいと思います。

その上で、この基金の執行状況のペーパーというのがあるんですけれども、これを見ると、職業訓練の基金を、使い切れずに余しているだけではなくて、驚くべき使い方をされていることに気づくんですよ。

基金を管理している中央職業能力開発協会、この事務所の賃料月百万円、職員二十二名の人件費月一千万円、コピー代、旅費、はたまた日経新聞の購読料。これは、中央職業能力開発協会の運営にかかわるありとあらゆる経費がこの基金から支出されているんです。基金の金でこの協会の運営経費を丸抱えで賄っているようなものなんですよ。

国民の税金から支出されているこの基金です。中央職業能力開発協会の運営経費にその基金が充てられている。余っているからなのか。

この中央職業能力開発協会、厚生労働省の天下りや現役出向がいると思いますが、その数をお答えください。

田村国務大臣 これは民間の協会でありますけれども、役員としまして、常勤で中央省庁OBが一名、それから、職員については、現役出向者が十六名と承知いたしております。

柿沢委員 今、一名、十六名、こういうお答えがありましたが、これは厚生労働省の関係、OBと現役出向という話ですから、理事長は厚労省の局長のOB。はい、どうぞ。

田村国務大臣 中身の省庁を申し上げますと、理事長は、厚生労働省のOBが一名、それから、現役出向は、厚生労働省が十五名、内閣府が一名で、合わせて十六名でございます。

柿沢委員 それに加えて、常任理事四人、理事四人、計九人、これが厚労省、経産省、国交省から再就職をされている国家公務員OBでいらっしゃいます。

ありていに言って、これは正真正銘の天下り団体の一つと言っていいと思います。そこに、職業訓練を名目に、場合によっては使われない基金を二百三十三億流し込んで、そこから経常経費を支出する、これは正当化できるんでしょうか。

そもそも、緊急人材育成・就職支援事業臨時特例交付金、こういう名目がついていますけれども、余って返したりしているのに、これは、どこが緊急で、どこが臨時で、どこが特例なんですか。平成二十一年度以降、補正で毎年毎年積み増しが常態化しておりますけれども、これは、財政法上認められる先ほどの緊急性、緊要性がどこにあるんでしょうか。これは、見えにくいところで天下り団体にお金を流している、こういうことになってしまっているのではないですか。

田村大臣、いかがですか。

田村国務大臣 平成二十一年度補正予算時には、リーマン・ショックによる、やはりこれの深刻性ということから、このようなことで基金を積んだわけでございます。

もちろん、その後、雇用は改善しつつはございますが、今申し上げましたとおり、まだまだ若い方々を中心に厳しい状況があるのは事実でございまして、その時々の雇用情勢というものを勘案しながら、年度の途中で必要なものに関して補正予算で計上させていただいておるということであります。

おっしゃられたような使い方に関しては、一度整理をいたしまして、これからのことにしっかりと参考にさせていただきたいというふうに思います。

柿沢委員 最後に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

これは本当に、国民の税金を使って基金の造成をし、それを積み増している。しかも、暫定税率といいながら五十年間続けてきたというのを思い出しましたけれども、緊急、臨時、特例と称して、平成二十一年度からここまで、少なくとも五年間もこの形で続けて、補正で積んでいるわけですね。緊急性があるのか、そして、事業の中身の精査、こうしたことをやはりやらなければいけない時期に来ているのではないか、こういうふうに思います。

そのほか、ここにも書きましたけれども、法改正して、補正で、科学技術振興機構に五百五十億円の革新的研究開発基金、これを積んで、ImPACTの基金をつくるわけです。ImPACTセンターなるものを科学技術振興機構につくるそうですけれども、これは、事業目的は事業目的としてあると思いますし、それを全否定するつもりはありませんけれども、しかし、これも、文部科学省の天下りや現役出向が計四十九人いる独立行政法人にこの五百五十億を流し込むということになるわけですね。

こういうものを全てひっくるめて、補正に計上されている基金や運営費交付金、補助金等で、中央省庁のOBや現役出向者のいる独立行政法人や公益法人等のいわゆる天下り団体に対して支出されているのは、今回の補正予算、何法人、そして計幾らぐらいあるんでしょうか。財務大臣、お答えいただけますか。

麻生国務大臣 五十八団体、六千五百億になっておると思います。今、団体の数と総額ですね、五十八団体、六千五百億となっております。

柿沢委員 五十八団体、六千五百億ということであります。

結局、財政法上、正当化できるかできないかというような不要不急な基金の積み増しをしたり、天下り団体へのいわばミルク補給をしているとしか思えないような支出項目が私から見れば多々見受けられるのが、今回の補正予算の中身だと思うんです。

麻生副総理、この手法というのは、麻生副総理が総理だったころの平成二十一年度の補正予算、これが始まりで、あのときに十四・七兆の超大型補正を組んで、四十六の基金に四・三兆計上し、そして、あのときもいろいろ指摘をされましたが、天下り団体に補正全体の二割に当たる二・八兆、歳出が流し込まれた、こういうことを言われました。

この補正予算も、基本的にかつてと全く同じパターンで編成をされている、そして、この仕組みのスタートを切った麻生総理が今財務大臣としてこの編成をされておられる、こういうことではありませんか。財務大臣、御答弁ありましたら、どうぞ。

麻生国務大臣 リーマン・ショックのときを御記憶いただきまして、ありがとうございました。すっかり忘れられている事件にもなりつつありますので。あのときも異常事態だったと思っておりますけれども。

今回の、今言われました五十八団体の話の内訳は、基金のものに対しては十七団体、三千九百、それ以外のもの、四十三団体で二千六百という数字になっております。

いずれにいたしましても、今私どもがやろうとしておりますのは、この四月以降の景気の回復というものは、いわゆるアベノミクスによって景気がやっと回復のステップに上ってきたという段階で、我々は同時に財政再建も考慮に入れておかねばならぬという立場にありますので、消費税を上げさせていただくことによって、いわゆる財政というものはきちんとしているんだということを、二律背反するような話である、しかし、状況は、御存じのように、この二十年間、金利がゼロでも人は金を借りないという状況で経済学などというものが成り立ったことは過去一回もありませんので、しかし、そういった状態が起きておるわけですから、それに対して我々はしかるべき手をいろいろやって、いずれもこれまで成功したと言えるものは余りないというのが、この二十年間、我々に与えられた条件だったと思います。

したがいまして、私どもとしては、今回、消費税を上げさせていただくに当たりましては、いわゆる経済成長力というものをきちんと底上げして、成長軌道へもきちんと戻しつつ、税金もきちんとやらねばならぬ、両方やらねばならぬということになっておりますので、私どもとしては、きちんとした経済成長軌道に乗せていくためにこの補正を組ませていただいたということでありまして、今言われておりますように、中央省庁の出向者の数とかいうものでこの補正予算を組んでいるわけではありませんし、私どもとしては、きちんとした対応をやっていくためには、今すぐ対応ができて、四月以降、直ちに対応ができるものというのであれば、四月に予算が成立してからやるのでは、とてもではないけれども間に合いませんという状況のものに主に重点的にやらせていただくという形で、基金というものに目をつけたということでは確かにあろうと存じます。

柿沢委員 今の御答弁を聞くと、やはり、民間の資金需要がゼロ金利、低金利でも伸びない、だから自分たちが、俺たちが使うしかないんだ、こういうお話なのかなというふうに解釈できますけれども。

今回の補正予算編成の手法は、平成二十一年度の補正で使われて、その後も続けられてきた手法だということを最後に改めて指摘をしておきたいと思います。

次の話題に移ります。

時間もなくなってまいりましたけれども、安倍総理、減反廃止のことについて、きょう、予算委員会で数々の質疑者が取り上げられておりました。世界には、アジア初め、米を主食とする三十億人の人々がおります。減反で生産量を減らし、高い米価を維持していくのではなくて、減反廃止で米の生産をふやして、米価を下げて、世界最高品質の日本産の米を海外市場に輸出できる、価格競争力をつけよう、こういうことだと、簡単に言えば、そういうふうに私は理解しています。

減反廃止を掲げる安倍総理も、成長戦略というからには、まさに自由な作付による主食用米の例えば増産を目指している、こういう方向性と理解してよろしいでしょうか。

林国務大臣 午前中も議論になりましたが、四十年以上続いてまいりました米の生産調整の見直し、これは、農業者が、先ほども議論になりましたように、マーケットを見ながらみずからの経営判断で作物をつくれるようにするとともに、需要のある麦、大豆、これは自給率一〇%前後でございます、また飼料用米の生産振興によって農地のフル活用を図る、これで食料自給率と食料自給力の向上をあわせて図っていくということでございます。

具体的には、これまで行政が生産数量目標の配分を行ってまいりましたが、五年後を目途に、行政による配分に頼らずとも、国が策定する需給見通しなどを踏まえながら、生産者や集荷団体、団体、これらの皆さんが中心となって、円滑に需要に応じた生産が行えるように環境整備を進めていきたい、こういうふうに考えております。

柿沢委員 今、林大臣、むにゃむにゃっと答えられましたけれども、結局、主食用米の増産を目指すのか目指さないのかということについては明確な御答弁がなかったように思います。

今回、補正で、攻めの農業、また水田フル活用、こういうものが出ているのですけれども、いろいろ見てみると、そもそも、都道府県の農業再生協議会に基金をつくって、そこから補助金を出すというような事業、農業再生協議会、お尋ねをする予定だったのですけれども、時間がないので申し上げると、これは、例えば地域農業再生協議会のある市のホームページを見ると、需要に応じた米づくり(需給調整)、減反、これを推進するとともに、国が進めている戸別所得補償の活用を通じて、農業者が行う転作作物づくりを生産現場に最も近い立場から支援する機関です、こんなことが書いてある。つまりは、減反推進機関に対してお金を渡して、そして転作を進めていく、こういう事業になってしまっているのではありませんか。

水田フル活用についても全く同じで、書いてあるのは、飼料用米、先ほど麦、大豆、ありましたけれども、そうしたものへの転作、そしてそれに対しては、皆さん御存じのとおり、さらに上乗せした補助金を払う、こういうことにも飼料米に関してはなっているわけであります。

こうした方向性で、本当にこれは攻めの農業と言えるのでしょうか。大臣、最後にお答えください。

林国務大臣 その資料はこの改革の前の資料かもしれません、確認はしておきますが。

繰り返しになりますけれども、農業者の皆さんが自分でマーケットを見ながら判断をする、これが基本であります。そのための条件整備、環境整備としていろいろなことをやろうと。

例えば、ほっておけば、飼料米は非常に安いですから、こちらに転作すれば非常に収入が減ってしまう。こういうところに、補助金で誘導することによって選択肢をふやそうということが今回の主眼でありまして、農地のフル活用を図る、これが大変に大事なことだというふうに考えております。

柿沢委員 終わります。ありがとうございました。