2014.2.5参議院予算委員会議事録<前田武志>

○前田武志君 前田武志でございます。
久しぶりの予算委員会に登場をさせていただきました。
まず、総理に御質問をいたします。
本国会において責任野党論というのが総理の投げかけで起こっておりますが、総理が考えておられる責任野党とはどういうものなのか、国民一般に分かりやすく御説明をください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イギリスにおいては長く二大政党が定着をしていたわけでございますが、野党も女王陛下の野党と、こう言われていたわけでありまして、与党も野党も両方ともイギリスという国家に対して責任を持つということではなかったのかなと、このように思います。野党は、ただ単に政権を取ることのみにきゅうきゅうとして、政局をつくっていくことだけを考え、政策的な建設的な議論をおろそかにしてはならないと、こう思うところでございます。
我が党も野党時代に、まさに消費税を上げていくという判断、税と社会保障の一体改革、これは当時、まさに谷垣総裁の下に一糸乱れずそういう判断をしたわけでございます。これこそ責任野党ではないのかなと、こんなようにも思うところでございます。
○前田武志君 確かに、自民党、三年三か月の野党の間に謙虚に鍛え直したと、そして、先ほど総理もおっしゃっておられた謙虚に丁寧に議会で説明をしていくという趣旨なんだろうと思いますが、という意味において、与党と政策を共有するところが責任野党だというような考え方はいかがかなと思いますが、どうでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも私はそういう考えではございません。建設的に議論をしようという野党はまさに、政策議論をしようというところはこれはまさに責任野党なんだろうと、このように思うわけでございます。
○前田武志君 先ほどから総理の答弁ぶりを聞いておりまして、謙虚に、こう言っておられますが、確かに今、安倍総理は非常に高い支持率、そして短いこの一年数か月の間に世界もお回りになって外交も進めておられる、私も評価いたします。
しかし、総理もおっしゃるように、日本の政治の仕組みというのは議会民主制です。野党があっての議会なんですよね。多数派は内閣をつくるわけでございますから、政府をつくるわけでございますから、野党があって、この議会における丁寧な真摯な議論があって初めてその政策の実施に過ちなきを得るわけでございます。
そういう意味においては、いささか総理のおっしゃっているのは、政策を前向きに一緒に検討してくれるのが、あるいは進めてくれるのが健全野党だと、責任野党だと、こういうふうに聞こえるんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もしそういうふうに聞こえているとすると私の不徳の致すところでございますが、私が申し上げているのは、まさに建設的な政策議論をしていただけるところは責任野党だろうと、こういうことでございますし、我が党はまさに野党時代にそうありたいと心掛け、そしてそうであったと、このように確信しているからこそ我が党は与党に戻れることができたんだろうと、このように思います。
○前田武志君 先ほどの羽田議員の質疑等を聞いておりまして、確かに昨年のあの特定秘密保護法、あの参議院における審議というのは、通常であれば国の命運を左右するような重要法案です。この政策を議論するには、通常の審議時間、去年の参議院のあの臨時国会における審議時間の多分三倍ぐらいは必要だろうと思うんですね。(発言する者あり)二十二時間と言っておりましたが、百時間ぐらいは通常なされているんですよ、首をかしげておられますが。
ということにおいて、総理があの当時、もちろんこの重要政策というのを進めていきたい、よく分かります、我々もその重要性というものは、幾つか提案もしているぐらいですから。なぜ丁寧に謙虚に議論を進めなかったのか。お答え願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに我々は、十二だったかな、論点について修正に応じているわけでございます。
質問時間等々審議時間においても、日本の国会というのは世界のスタンダードから見れば圧倒的な審議時間を使っているわけでございます。私も今日も八時間の審議に応じるわけでございますが、これは世界においてもかなり異例なことであるということは申し上げておきたいと、こう思うところでございます。その中で私たちは真摯に議論を進めているところでございます。
○前田武志君 今のは余り真摯に、謙虚には見えないんですがね。
要するに、総理、笑っておられますがね、本当に政府に対峙するような野党がなくなれば、これは大政翼賛会になるんですよ。翼賛政治になるんですよ。これは、多分、私は戦争を辛うじて知っている世代ですよ。空襲も受けました。そういう世代から見ると、物心付いたときは確かに暗かった。あの軍部政権がどんどん進めていったというのは、議会がその機能を失ったからですよ。翼賛政治になったんです。
しかも、総理のおじい様の安倍寛先生、昭和十七年のあの翼賛選挙、政党は全部、政府がやる、軍事政権が進めていくことに対して拍手をして賛成していくという、そういうような議会の機能を失った中で、敢然として無所属で戦われた。国会レファレンスからちょっとこの安倍寛先生のを取り寄せて見たんですね。そうしたら、特高に狙われて、付きまとわれて随分選挙妨害を受けたにもかかわらず、無所属で当選されている。大津郡の御出身ですよね。大津聖人と言われたと。とにかく翼賛は駄目だということで政党政治家として筋を通された。私は、総理にそのDNAが流れていると期待をしているんですね。もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変お褒めの言葉をいただきまして私も恐縮をしているところでございますが、先ほど……(発言する者あり)その血が流れているということを言っていただいたわけでありますから、もう一度それは繰り返させていただきたいと思うところでございますが。
そこで、先ほど私申し上げましたように、我々野党であった時代、まさにあの自民党こそ責任野党なんですね。あの自民党こそ責任野党。あの状況が翼賛体制状況であったかといえば、まさにそんなことはないわけでありまして、責任野党の自民党の存在を国民は頼もしく思って自民党に政権を託したんですよ。
これが、与党と野党が切磋琢磨して政治をつくっていく、この緊張感こそが私は、緊張感がなくなればいいとは私は一回も言ったこともございません。まさに政策論争をやっていく。最初から審議拒否を決めていて、そのために審議を進めていくということであってはならないと、こういうことではないかと思うところでございます。
○前田武志君 審議拒否は総理の方でして、要するに、去年のあの特定秘密法、これは、もちろん、安保に関わる法的枠組みを検討する会議ですか、審議会ですか、法制懇、安保法制懇ですか、そういうところで進められているという御答弁でしたが、これだけ重要なものは、やはり議会で、それこそ謙虚に丁寧にしっかり議論をしていくべきなんですよ。そのことだけは申し上げておきましょう。
更に申し上げれば、今国会開会の式辞、これは伊吹文明議長が両院を代表されて式辞を述べておられます。大体、この開会に当たっての式辞というのは、内外非常に多難な情勢に対して議会は責任持って議論をしていこうというそういうパターンなんですが、特に今回は、「憲法の規定に基づき、国会は内閣総理大臣の指名により行政権を創出し、内閣は内政、外交を処理する行政権の行使について、主権者たる国民の負託を受けた国会に対し連帯して責任を負っています。」ということを述べておられるんですね。今まで何度か私、国会開会式出ておりますが、特に今回、両院を代表してこういうふうに、これはまさしく両院を代表しての話ですから、このことを含めて、総理は深く受け止めておいていただきたいということだけは申し上げます。
次に、MRAということについて、これは稲田大臣がお答えいただけるのかな、よろしくお願いします。稲田大臣に。
○委員長(山崎力君) MRAについてという質問ですね。
○前田武志君 そうですね、はい。
○国務大臣(稲田朋美君) MRAについてのお尋ねでございます。
現在は公益社団法人国際IC日本協会ということでございますが、その国際IC日本協会は、アメリカのフランク・ブックマン博士が提唱した、軍備の再武装でなく道義と精神の再武装、いわゆるMRAの精神に基づき、各種社会教育を通じて個人と家庭、社会と国の健全な発展や世界平和を実現するため国際会議、講演会、研修、交流等の事業を実施している法人と承知をいたしております。
○前田武志君 MRAというのはモラルリアーマメントですか、稲田大臣から言われたように道徳再武装という運動で、あの占領下にあった日本、さらにはサンフランシスコ講和条約で復帰を果たしてからというあの時代に、日本でも非常に左右が荒れた時代があります。特にコミンテルン等の指令というようなものがあった時代ですからね。そういう中で、日本の政治家あるいは経済人あるいは労働組合、本当に何が正しいかというモラルを再構築していこうということで随分大きな成果を上げた団体だと承知をしております。自民党の国会議員、先輩の方々、随分関わられましたよね。今でも、羽田孜さんが会長をしていたんですが、河村建夫先生が副会長をされているというふうに聞いております。
そこで、ここに資料を配っております。非常に見にくいと思いますが、ちょっとこれ参考にしてほしいんですが、昭和三十二年四月三十日、参議院におけるこれは議事録なんですね。加藤シヅエ参議院議員が時の岸総理に対するこれ質疑でございます。ちょうど、三十二年といいますと、その前の年に鳩山総理が辞任され、そして石橋湛山内閣ができたんですが御病気になられて、二月に岸内閣ができたときです。
この中で、こんなのは読むつもりはないんですけれども、加藤シヅエさんがこのMRAの、フィリピンのバギオで第一回のそのアジアの会議があった、そこに出席してきたことを報告しているんですね。日本からは星島二郎、その直後に議長になられますが、星島二郎先生と社会党の加藤シヅエ先生が出ておられた。
そして、その中で、今だから想像付かないんですが、日本は講和は成ったんですが、実は、周りの国々は全部日本に対してひどい目に遭ったということで講和がなかなか個別には進まなかった。条約ができなかった時代ですね、韓国、中国、フィリピン、オーストラリア、それからミャンマー、当時のビルマですが。そういう中で、バギオに集まったその会議で、星島二郎先生と加藤シヅエ先生が韓国の議員と交流をして率直な話合いをやって心の氷が解けたといったようなことがこの中に入っているんです。
そして、総理に対して、今デッドロックに乗り上げている、当時、これは余り私の方で話をすると時間がなくなるんで余り申し上げませんが、大きな障害になっていたある外交官の発言、よく今でも聞きます。要するに、日本は韓国においていいことをやってきたじゃないかというようなことを大使が発言をした。久保田大使ですか。それからまた、財産権の問題。韓国に随分日本の民間あるいは私が財産を残してきた、これをどうするんだというような問題。こういうことについて、率直な、当然、役所側、政府側はなかなか難しいことを言ったんですけれど、実は、この議会で岸総理が、これを乗り越えようと、率直な私は判断をするということを言われて進み始めた、そういうこの機会なんですね。
ということで、実はここに持ってきているわけでございますが、その次のページを見ていただいたらいいです。これを含めて、その秋に岸、時の総理がアジアを訪問されているわけです。
ちなみに、総理、この一年ちょっとの間に総理は何か国訪問されましたか。いいですよ、アバウトで。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三十か国以上だと思います。
○前田武志君 国でいうと三十か国ぐらいでしょうか、ということなんですが、実はこの議事録の後に、第二回のバギオの会議が秋にあったんですね。
そういうことを前提にしながら、実は、当時、星島自民党の後の議長、それから社会党のこの加藤シヅエ代議士を始め、ちゃんと議会を通じてこういう議論をしながらも、それこそあの当時日本が置かれた状況なんというのは今とは比べ物にならない厳しいものであったわけです。それをどう打開するかということで、岸総理は、そのお話をそれこそ謙虚に聞かれて、それでアジアの歴訪に立たれるわけです、三十二年の秋です。まずマニラで、そしてオーストラリアで、さらにはミャンマーで。多分尊敬するおじい様のことですからよく承知されておりますが、非常に率直なお話をされるんですね。そこで、相手国も日本に対する信頼を回復して、そこで各国との講和、そして賠償問題も進んでいったという経緯があります。
その辺のことを記したのが二ページ目のこれなんですね。これは昭和三十二年十二月二十八日のワシントン・イブニング・スター紙ですが、一国の指導者としては前代未聞の歴訪を終えた岸首相は東京に戻ってきた。過去三週間にわたり彼は日本が占領したり侵略の脅威を与えた九か国を訪問した。そして、彼はこれら各国において戦争中の日本の行動について公に謝罪した。これはワシントン・イブニング・スターですね。
そして、この第二回のバギオ会議に岸首相がメッセージを送っているんです。これは一九五八年ですから昭和三十三年になりますか、三月十八日からあったんですが、このメッセージ。
ここ一年の間に、私は今回の会議に参加されている多くの国々を訪問するという光栄に恵まれた。分裂した民族の間に融和を築くというこのMRAの働きに私は感銘を受けました。私自身、過去の傷を癒やす正直な謝罪の力を体験しました。健全で平和な人類社会を築くために謙虚な心のステーツマンシップが必要とされております。
謙虚な心のステーツマンシップが必要とされております、是非このことを肝に銘じておいてください。
それでは、政策の話に移ります。
まず、総理の第一の矢、第二の矢、今日辺り、昨日辺りは随分株は下落しておりますが、そういう第一の矢、第二の矢だけではなかなか長くもちません。したがって、第三の矢です。総理自身も、この成長戦略というものに一番重点を置いておられると思いますが、そのお考えのコアのところを総理のお口で述べてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大胆な金融政策、金融緩和と、そして機動的な財政政策と、そして民間の投資を喚起する成長戦略であります。確かに委員がおっしゃったように、一本目の矢、二本目の矢だけでは持続的な安定的な経済成長は望まれないわけでありますから、しっかりと日本人の力が引き出される、そして、あるいは海外からも投資が行われると、そういう日本をつくっていきたい、そのためには成長戦略を実行していくことが必要であるということでございます。
○前田武志君 総理の言われる成長戦略の具体的なものは日本再興戦略の中にも随分書かれております。私もそれを随分と見せていただいております。
しかし、その中で、各省庁横断的に関わる政策というのは、どうしても一つ統合して焦点を当てて進めるというのが難しい分野ですね。そんな中で、一つ申し上げたいことがあるんですね。それは、住宅、建物、町づくり、民生の関係ですね。この関係は、エネルギーの消費量というのが随分多くて、またなかなか削減されていない分野です。ここを徹底的な省エネ等をやれば、もちろんCO2も削減、更に言うと、エネルギー政策でも劇的な効果が上がると思います。
そこで、各分野ごとの最終エネルギー消費の構成比について御説明を願います。これは経産大臣ですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国におけます最終エネルギー消費量を部門別に見ますと、二〇一二年の実績で、産業部門が四三・三%、業務部門が一九・三%、家庭部門が一四・二%、運輸部門が二三・二%となっております。これを一九七三年と比較いたしますと、産業部門では〇・九倍と消費量が減っておりますが、これに対しまして、御指摘にもありました家庭部門では二・一倍に増えるなど、民生部門では大きな伸びが見られます。
○前田武志君 次に、炭酸ガスの排出量の方について各分野ごとの御説明を願います。環境大臣ですか。
○政府参考人(関荘一郎君) 二〇一二年度の我が国のCO2の排出量で見ますと、産業部門は三四%、運輸部門一八%、業務部門二〇%、家庭部門一六%でございまして、これは温暖化対策の基準年で比較しますと、一九九〇年と比べますと、絶対量で見ますと、業務部門は五八%の増加、家庭部門は六〇%の増加と、このようになってございます。
○前田武志君 このパネルに示しておりますが、お手元に資料があります。(資料提示)エネルギーの消費と炭酸ガスの排出量。そのとおりでございまして、民生部門が非常に大きい。これは二〇一一年度ですから、多分相当節約が入った年なんだろうと思いますが、それでも民生部門が大きいですね。
その次の、お手元には資料として、このパネルにはありませんが資料として入っているのは、部門別エネルギー消費の推移、今のはある年度だったわけですが、時間軸、年度的にどうなったか、ドイツと日本を比較しております。
ドイツ、一九九〇年から今、二〇一〇年辺りですね。もちろん、産業部門は随分省エネ、ドイツもやっています。しかし、業務系と家庭系も随分省エネやっているんですね。家庭系に至っては、二十年前よりも少し省エネされております。一方、日本の方、特徴は、産業部門は確かに横ばいからこのエネルギー、節約をしておりますが、業務系と家庭系というのは随分増えているんですね。二十年前に比べて、業務系は四〇%以上、家庭系でも二五%から三〇%ぐらい増えています。ここに問題があると思います。
ということで、次に申し上げたいのは、今、日本各地で、ここにおられる各先生方も、大抵自分の府県には大きなニュータウンがあるはずです。言ってみれば、高度成長期にニュータウン等でその地域がどんどん元気を出して発展してきた。それが今、オールドタウン。さらに、これがこのまま推移するとゴーストタウンになるおそれがあるんですね。もう、私どもも地元に帰ると、周りに空き家がどんどん増えております。これを放置するわけにはいきません。ここを今まさしくコンパクト化していって、地域包括ケアも入れて、安心して住めるような町づくりをやっていくべきだと思うんですね。そうすれば、そこで大変な雇用も起こることになっております、全国各地で町の再生をやるわけですから。
そういったことも含めまして、総理から見て、こういった町づくり、これは単に自治体であったり国交省であったり、あるいはエネルギー関係の経産省であったりということのみならず、各省全て、厚生省も含めて関わる問題でございます。第三の矢の中にどういうような総理は位置付けをされておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この町づくりということについては、省エネの観点からも、あるいは同時に日本は様々な課題を抱えているわけでございまして、少子高齢化が進んでいる、そういう意味における課題先進国でもあるわけでございまして、こうした課題を解決をしていくということはむしろピンチをチャンスに変えていくことにつながっていくんだろうと、このように思うところでございますが。
先月、地域活性化の推進に関する関係閣僚会合を開催をいたしまして、成長戦略の改訂に向けて、持続可能な都市、地域の形成や地域産業の成長と雇用の維持、創出について政府一体となって取り組むこととしているわけでございます。同時に、今委員が御指摘になられたように、しっかりと省エネを進めていくという観点からも様々な取組を行っていきたいと、こう思っているところでございます。
○前田武志君 次に、ここにゼロエネ建築の海外動向と書いておりますが、特にEUなんかは、もう十年以上前から将来は建物、住宅も含めて躯体の熱性能を格段に上げようということで、ゼロエネルギー建築をやろうというぐらいのことを目指しているんですね。日本におけるこの面での政策、これをお聞きいたします。国土交通大臣でしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今、ゴーストタウン化するということについて総理に質問があり、コンパクトシティーということを言われましたが、一つ一つの個別の住宅・建築物、これを先生も大変進めてきてくださっておりますけれども、ゼロエネルギー住宅・建築物というものを造るということは極めて重要な課題であり、直ちに進めていかなくてはならないことだというふうに思っています。
建物の断熱化や設備の高能率化による省エネルギー、太陽光発電等による創エネルギー、蓄電池等を活用した蓄エネルギーということを合わせて、年間のエネルギー消費量が正味でおおむねゼロになる住宅・建築物ということを推進することが必要だというふうに思っているところでございます。
二〇二〇年までに、日本再興戦略におきましては、ゼロエネルギーハウスを標準的な新築住宅とするという目標を掲げておりますが、これを具体的に進めていくというのが我々政府の課題であるというふうに認識しております。
○前田武志君 次のパネルを見ていただきます。こういう資料が入っております。
実は、ゼロエネルギー化を進めて断熱をやっていくと、室内の温度環境が非常に良くなります、ヒートショックがなくなります。ここに挙がっておりますのは、室温低下に伴う血圧上昇、慶応大学の伊香賀先生なんかが現地で調べられたもので、特に六十代、七十代以上になりますと、十度の温度差があると血圧がどれだけ上がるかというようなことがデータとして出ているんですね。実はこのデータ、長門市なんかで随分と克明に調べたデータなんですね。長門市、それから土佐市、檮原町ですね。
その下に書いてありますのは、代表的な疾患というのはどうしても血圧だとか心臓系、あるいは脳、循環系ですね、こういったものが劇的に良くなるというふうに言われております。
こういった面で、厚生労働省、今日は大臣はおられないようでございますが、国内において、この室内環境、特に温度差と疾病の関係、調査をされたことがありますか。
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、前田委員が御指摘の、室内の気温差が健康にどれだけ影響を与えるのかということについては、厚生労働省としても非常に重要な問題意識を持っております。
室内の気温差が高血圧を経て脳卒中の発症に寄与することについては、少なくとも五十年以上前から研究とその対策が各地域で行われてまいりました。今御指摘のあった室内の気温差が循環器疾患に与える影響についても、今現在、厚生労働科学研究事業において入浴関連事故に関する研究を行っているところでございます。
さらに、厚生労働省としては、室内の気温差を含む生活環境は生活習慣病の発症と深く関わっていることから、こうした研究を更に推進する必要があると、そのように考えております。
このため、来年度は、住環境を含めた生活環境や生活習慣の改善に関する研究を実施することとしておりまして、現在、ちょうどこの一月三十一日から二月二十八日の期間でございますが、その公募を行っているところでございまして、是非積極的な応募をお願いしたいと、そのように考えております。
○前田武志君 ここに一つ資料を入れてあるんですが、要するにヒートショックなんですが、我々、帰って田舎の家におりますと、布団の中は三十度以上ですよ。で、夜中、トイレに立つ。部屋の中がせいぜい十度ぐらいです。便所に行けば随分低いですよね。ヒートショックといいますか熱の差というのが、十度どころか二十度、三十度にもなりかねない。これが一番大きな原因なんですね。
ということで、厚労省にはお願いしておきますが、やはり個別の家の温度環境と疾病の関係、これをしっかりと調査をして政策に反映できるように、町づくりに、お願いをいたします。
更に申し上げれば、次は、個別のことでいうと、耐震の方について、耐震については、去年、特別措置法だったですか、促進法を改正もいたしました。今の状況どうなっているか、国交大臣にお聞きします。
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘をいただきましたように、昨年、耐震改修促進法というのを作らせていただきました。日本全体で申し上げますと、住宅が五千万戸ほどありまして、そのうち五十六年新耐震以前のものが千五十万戸あるという状況で、これを防災・減災という観点からもやっていかなくてはならないというふうに思っているところです。
耐震改修促進法におきましては、不特定多数の方が利用するホテル、旅館等を始めとして、大規模な建築物等に対する耐震診断の義務付け、そして耐震改修ということについても補助制度をつくり、あわせて、地方自治体からもその補助の支援をしていただくという仕組みをつくっておりまして、現在、地方自治体と国と力を合わせて、これが促進できるようにという体制を取らせていただいているというのが現状でございます。
○前田武志君 もう一つ、日独の建設投資という資料を入れているわけなんですが、これを見ていただくと、ドイツ、約三十兆円の建設投資、そのうちの四分の三以上が既設の住宅、建物の改修で起きている建設投資なんですね、断熱改修であったり一般のリフォームであったり。一方、日本の方は三分の二ぐらいが新築なんですよ、まだ。そして、今御説明をいただいたように、実は個々の家ということについては、断熱改修、耐震改修、健康にもいいということで、実は相当の大きなメリットがあるわけです。
したがって、そちらの方に政策がシフトしていくべきだと思いますが、日本再興戦略の中にもそういうことが書いてあったと思いますが、国交大臣、いかがですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 先生御指摘のそうした方向にということで、日本再生戦略におきましてもそうした方向を打ち出しているところでございまして、また日本の場合は、既存の住宅ということが、一つは新築志向というものが今までございました。しかし、そこを断熱等を施すということにおいて、それを変えていくというようなベクトルの変更というものがこれから必要かというふうに思っておりまして、あわせてまた中古市場の活性化というような方向も取っていかなくてはいけないと。
いずれにしても、ゼロエネルギーの住宅、そして耐震化の住宅、そしてまた健康にいいというウエルネス住宅、先生御指摘のような方向にシフトをしていくということが大事だというふうに認識しております。
○前田武志君 ということで、その住宅の価値を上げるということが重要だと思うんですが、今、日本における、これは住宅に限ってで結構ですが、住宅の戸数、その現在価値がどうなっているのか、教えてください。
○国務大臣(太田昭宏君) 住宅のストック数は、先ほど五千万戸ほどと言いましたが、五千七百六十万戸ございまして、総世帯数は約五千万世帯ということになります。つまり、差の七百六十万戸が空き室になるというのが現状でございます。
また、住宅のストックの現在価値は、内閣府の計算によりますと、日本の住宅ストックを金額換算した資産額は、二〇一一年度現在で約三百四十四兆円ということになっております。
○前田武志君 政府において、今あるこういうストックを断熱改修、耐震改修をやるとどの程度値打ちが上がるかという、そういう試算はやったことがございますか、お聞きします。
○国務大臣(太田昭宏君) どれだけ上がるかという十分な試算はございません。ございませんが、日本と他国を比較してみますと、日本は資産として投下したものよりはるかに低い、先ほど三百四十四兆円というふうに申し上げましたが、造った投資の額に比べて非常に低いというのが価値になっております。
木造はほとんど二十年で価値はゼロというような形になっておりまして、そこのところを先生御指摘のように様々な措置をとり、ウエルネス住宅であるとかスマート住宅であるとか、そうしたことをやることによって間違いなく価値は上がっていくという状況だと思います。
○前田武志君 個別の今住宅、建物の話をしたんですが、それを集合として新しい町づくりに持っていく、町全体の省エネもやる、安全を確保する、地域包括ケアが入るということで町の価値が上がっていきます。スマートシティーになる、さらにその先は環境未来都市ということになると思いますが、この環境未来都市の今政策の中身と方向について、担当大臣からお聞きします。
○国務大臣(新藤義孝君) 環境未来都市につきましては、これは平成二十三年に、少子高齢化対応、そして環境対応の取組に優れた都市、これが今十一都市が選定されておるわけであります。
私、この担当大臣に就任いたしまして、この環境未来都市とそれから環境モデル都市と、こういう二つの事業があります。これを一つのものにパッケージいたしまして、そして段階を踏んできれいなピラミッドができるような組立てをしております。新たに今そういったものに対する都市の応募もいただいているところでございまして、今委員が先ほどからおっしゃっているような包括的な取組が必要だと思います。そして、地域を活性化するためのいろんな手段を複合的にそろえて、そして対応していくこと、それに我々も支援をしていきたいと、このように考えております。
○前田武志君 東北の復興において、特区の制度を利用しているのかよく知りませんが、環境未来都市を具体的にやっているというふうに承知をしておりまして、どういう状況なのか、そして分かりやすく、一つの例でも示していただければ有り難いと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) この被災地域にございましては、福島県の南相馬市の例がございます。再生可能エネルギーを活用した水耕栽培による植物工場ですね。これを、南相馬のソーラー・アグリパークというもので、津波の浸水エリアに平成二十五年三月に整備をして、そして農業の振興を図っていると、このような事例がございます。
○前田武志君 復興大臣、いかがですか。
○国務大臣(根本匠君) 環境未来都市については、今、新藤大臣からお話がありました。環境未来都市構想では、環境だけではなくて人口減少や超高齢化社会に対応する取組、これも含まれております。
今、復興大臣ということでお答えすれば、被災地もこのような課題が顕著でありますので、我々、復興に当たって、単なる元に戻すのではなくて、復興を契機にこれらの問題を解決して、新しい我が国の、あるいは世界のモデルとなる新しい東北をつくろうと、こういう取組をやっております。
先生の今の御指摘でありますが、例えば気仙地域の取組、これについては、「新しい東北」先導モデル事業、このモデル事業によりまして、地域包括ケアの実現に向けた多職種の連携基盤の構築、これを支援しております。
○前田武志君 こういう町づくり、地域づくり、地域復興をやっていく、非常に多方面の分野が関わるわけでございますから、これを統合してやっていく手段としてPPPという概念があります。特に、総理のこの成長戦略の中にもコンセッションということをうたっておりますが、これの中身、そして今の状況というのを担当大臣からまず御説明を願います。
○国務大臣(甘利明君) 高度成長期に整備をしたインフラが次第に耐用年数を迎えます。これを公費で全て賄うと財政的にもちません。それで、民間資金をどう活用していくか、これがPPP、PFIの発想でございます。
現在、アクションプランを策定をいたしまして、これ昨年六月にいたしました。いわゆるコンセッション方式を活用した事業あるいは収益施設を活用したPFI事業、公的不動産の有効活用等々、民間の提案を生かしたPPP、PFI事業を重点的に推進しているところでございまして、今コンセッション方式を活用した具体の事業の設計であるとか関連法案の提出準備がなされるなど、推進に向けた取組が進んでいると認識をいたしております。
官民インフラファンドとしてPFI推進機構を昨年十月に設立をいたしました。インフラファンドが、例えばGPIFを含む幅広い主体の投資対象となるようにしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○前田武志君 時間が余りないので最後の質問になるかと思いますが、今のそのコンセッション、要するに、公共施設等の運営権を民間に渡して、そこに民間がチームを組んで関連のチームでやっていくと。特に、ファイナンス、税金だけでやるのではなしに、収益の上がる公的な事業であると民間の資本を呼び込む。特にこういったコンセッションというのは、安定して、ただしそんな高い利益ではありませんが、安定して利益が入るということで、年金ファンドですか、年金なんかはこの非常にいい対象になるようでございます。伊藤教授もそのように指摘をされておりますね。
私も、昨年、おととしと実はフランスに行く機会があって、去年はフランスの高速道路のコンセッションを見ました、ジュネーブに至る高速道路ですが。このコンセッション、既に五十年の期間の運営権を得て建設をして運営をしておりますね。そこに真っ先に金融機関が入ってきたというんですね。これは、少なくとも安定して五、六%以上の利回りがあるということのようであります。そのほか、おととしは大学都市のコンセッションを見ました。
○委員長(山崎力君) そろそろおまとめ願います。
○前田武志君 というように、日本においてこの分野というのはまだ始まったばかりであります。しかし、総理が指摘されるように、民間の活力、成長戦略に民間の活力を取り込むという意味においては非常に大きな可能性があります。
最後に総理に、第三の矢の具体的なイメージを含めてこのコンセッションあるいは町の再生、そういったことに対する総理の御見解をお伺いして、質問を終わります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地域の活性化については、今委員が御指摘のように、様々な活力、知恵、人材を生かしていく必要があるんだろうと、このように思っております。地域の活性化、そして町づくり、あるべき町づくりに向けて、今議員が御提案になったことも含めてしっかりと検討していきたいと考えております。
○前田武志君 終わります。