2014.2.5参議院予算委員会議事録<有田芳生>

○有田芳生君 有田芳生です。
一九九三年に朝日新聞の社内で野村秋介さん、右翼団体の幹部ですが、拳銃で自殺をしました。そういう事件、記憶におありの方もいらっしゃると思いますけれども、今朝の毎日新聞に、「新聞社拳銃自殺事件」、「NHK経営委員が礼賛 対メディア圧力黙認」と、新聞社に対する暴力行為、それに対してNHKの経営委員が礼賛していると、そういう大きな記事が出ております。
経営委員長の浜田健一郎さんはいらしていますか。いらしていないですね。場内協議でも是非呼んでくださいということをお願いしていたんですが、委員長、是非この問題が議論できるようにお願いできないでしょうか。
○委員長(山崎力君) この問題につきましては、この始まる前の理事会のところで場内協議というところには正直いっておりませんので、今新たな御提案があったということで、後刻理事会で協議することといたしたいと思います。
○有田芳生君 この拳銃自殺事件についてNHK経営委員が礼賛した、このことについて総理それから会長、どのように認識されておりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問通告もございませんし、読んでおりませんから答えようがございません。
○参考人(籾井勝人君) この度NHKの会長に就任しました籾井勝人でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今の御質問にお答えする前に、一言、私の方から申させていただきたいと思います。
一月二十五日、私、会長就任の日でございますが、この日にありました公式会見の場で個人的な見解を発言したことは不適切であり、大変申し訳なく思っております。その場で取り消させていただきましたが、誤解を招いてしまったことについて、改めて深くおわび申し上げます。
御質問にお答えいたします。
ただいまの御質問については、私は今お答えする立場にないというふうに認識しております。
○有田芳生君 会長が経営委員の発言について責任がない、発言する責任がないというのはどういう意味でしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 経営委員会の方々についてのコメントを私がすることは、する立場にないということでございます。
○有田芳生君 編集権を持った会長というのは、言わば、これまで三井のお仕事とか日本ユニシスのお仕事とは違って、今やもはや編集権を持っているというのはジャーナリズム精神でやはり発言しなきゃいけないんですよ。感想、どうですか。感想だったら言えるでしょう。
○参考人(籾井勝人君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私は経営委員のことについてコメントする立場にありません。
○有田芳生君 ジャーナリズム精神を持ったお仕事をする人が感想も述べられないと。恥ずかしいことだと思われませんか。
○参考人(籾井勝人君) 感想も述べることはないと思います。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 場内、特に後席の方、お静かに願います。
○有田芳生君 長谷川三千子経営委員だけではありません。新聞報道も一部ありますけれども、百田尚樹経営委員も、選挙の応援に来られて、南京大虐殺はなかったとか慰安婦問題は大うそだと。それはまあいろんな議論はあるでしょう。
しかし、見過ごすことができない発言を、有楽町、こう語っております。都知事選の候補者について語っているんですが、ええ、残り厄介な三人くらいおります、ええ、どいつもこいつも人間のくずです。あるいは、秋葉原での演説。本当に何人か重要な候補と言われている人間ですが、私から見れば人間のくずみたいなものです。百田経営委員がこういう発言している。
この人間のくずと言われた人は、元首相、元厚生労働大臣、そして元日弁連会長ですよ。総理、いかがですか。こういうことを言っていいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそこで聞いていたわけではございませんし、我が党が応援している候補は舛添候補であるわけであります。
○有田芳生君 会長、いかがですか。経営委員の発言ですよ。人間のくずと言っている。
○参考人(籾井勝人君) 何回も申しておりますように、経営委員の発言について発言する立場にはございません。
○委員長(山崎力君) 有田ヨシオ君。
○有田芳生君 ヨシオじゃなくてヨシフですが。
総理、放送法三十一条には、経営委員会委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命されている、そういうことを言っている。だけど、元総理や元厚生労働大臣や元日弁連会長を人間のくずだと言うような経営委員を総理はどういう立場で、放送法第三十一条の立場できっちりと対応する必要があるんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経営委員においては、両院の同意を得て総理大臣が指名するものであります。
○有田芳生君 総理、人間のくずと公の立派な仕事をされた人に対して罵倒することが公共の福祉に関して公正な判断ができる人なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも私はそれを聞いておりませんので、基本的に……(発言する者あり)いや、後ろの方で、場外でああいう大声を出されますと、審議、私、今聞いていることもよく聞けない状況でございますので、冷静な、品位を守った委員会にしていただきたいと思います。
○有田芳生君 感想ぐらい述べていただいても一国の首相としていいとは思うんですが、いかがですか。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○有田芳生君 人間のくずだという発言を、選挙のときだとおっしゃいますけれども、れっきとしたNHKの経営委員が語っている。事実確認できないと言うけれども、これは有楽町と秋葉原、二か所で確実に言っていることなんですよ。そのことについて総理に、何も責めているわけではなくて、こういう事実があることについてどのようにお考えになりますかと、そういう感想を伺っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は聞いていないんですから、答えようがない。有田さんのことを信用しないわけではありませんが、しかし、それが事実かどうか確認していない限り総理大臣としてコメントできないというのはごく当たり前のことじゃないですか。
それで、延々とこれを補正予算の場でやるつもりですか。
○有田芳生君 会長、これは御存じですか。
○参考人(籾井勝人君) 新聞では見ておりますが、実際には存じ上げませんが、繰り返しで申し訳ございませんけれども、私の立場からいってこのことについてコメントする立場にはないし、私の感想もこの場では控えさせていただきたいと思います。
○有田芳生君 会長、これは経営委員として適切な発言ですか。れっきとした人に対して人間のくずだと言うことは、会長としてどうなんですか。
○参考人(籾井勝人君) 本当に、何回も申しておりますが、繰り返しで申し訳ございませんけれども、コメントする立場にございません。
○委員長(山崎力君) 有田芳生君。(発言する者あり)発音が悪くて申し訳ない。
○有田芳生君 難しい名前ですから申し訳ありませんが。
会長の責任というのは非常に重いものがあるんですが、やはり経営委員がこういうとんでもない発言しているんですから、感想もないというのはそれはあり得ないでしょう。いかがですか。
○参考人(籾井勝人君) 本当に何度も繰り返しで申し訳ございませんが、私は経営委員のことについてコメントする立場にはございません。
○有田芳生君 総理も事実確認ができていないとおっしゃいますけれども、私は事実確認しておりますので、是非確認をしていただいて、更にこれから追及をしていきたいというふうに思います。
会長、伺いたいんですけれども、会長発言が様々な社会問題、海外でも報道されておりますけれども、NHKに寄せられた意見、その内訳を詳しく教えていただけますか。
○参考人(籾井勝人君) 一月二十五日に記者会見を行いましたときから昨日まで寄せられた意見は、およそ一万二千七百件となっております。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 改めて御質問願います。
○有田芳生君 昨日通告したとおりなんですよ。何件意見が来て、その内訳、賛成、反対、どのぐらいの割合ですか、特徴的な意見は何ですか、それをお答えください。
○参考人(籾井勝人君) 内訳につきましては、大ざっぱに、批判的な意見が七千五百件、それから肯定的な意見がおよそ三千五百件となっております。
○有田芳生君 先ほど会長は反省をしていると冒頭に述べられましたけれども、具体的に何を反省されているんですか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
公式の会見の場におきまして、私は個人的な意見を避けるべく努めましたが、何回も執拗に質問されたために個人的見解を述べたことについて、誠に申し訳ないというふうに思っております。
○有田芳生君 この記者会見、全文読ませていただきましたけれども、これを全部否定されるんですか。
○参考人(籾井勝人君) 個人的な見解を述べた部分について、改めまして全て取り消させていただきたいと思います。
○有田芳生君 これ全文読みますと、記者からの質問で、今のところですけれどもと、これ慰安婦問題ですけれども、そこのところは全部取り消しますと。あとの秘密保護法であるとか靖国であるとか、ほかの問題は取り消してないんじゃないですか。
○参考人(籾井勝人君) 個人的な見解を述べました部分については、全て取り消させていただいております。
○有田芳生君 どこが個人的見解ですか。具体的にお話しください。
○参考人(籾井勝人君) 会見の際に、個人的な見解と断って申しましたが、具体的にと言われれば、特定秘密保護法案であるとか靖国参拝について私が言及したこと、これも個人的な見解でございます。
○有田芳生君 全文読みますと、マスコミにも言葉の一部を使ってそれが拡大されて誤解されているところも確かにあると思うんです。そういうマスコミの問題もありますけれども、しかし、やはり見過ごすことができないのは、例えば特定秘密保護法について、一応通っちゃったんですねと、もう言ってもしようがないんではないかと思うんだけれども、だけど、必要とあればやりますよと。
これまで、「クローズアップ現代」であるとかNスペとか、そこで秘密保護法は取り上げられましたか。
○参考人(籾井勝人君) まず、今の問題についても個人的な見解を述べた部分につきましては改めて全て取り消させていただきますと同時に、NHKとしましては、特定の番組でどうこうというよりは、いろんな番組において、特別秘密保護法案についても、日々のニュースも含めて報道してきたと理解しております。
○有田芳生君 放送法第四条一項四号、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
だから、この会長の一連の発言から見ると、今後、特定秘密保護法についても取り上げることはあると理解していいんですね。
○参考人(籾井勝人君) 私の個人的見解は先ほど全部取り消させていただきましたが、今後も必要に応じてその都度適切に報道してまいりたいと思います。
○有田芳生君 あと、総務大臣による要請放送については、これはどのように理解されていますか。
○参考人(籾井勝人君) 要請放送につきましては放送法で決められておりますが、まず、総務大臣は、要請をする場合に、NHKの放送番組の編集の自由に配慮しなければならないとされております。それからまた、NHKは、総務大臣から要請があったときは、これに応じるように努めるものとすると規定されており、その法の趣旨に沿って対応してまいりたいと思います。
○有田芳生君 衆議院の予算委員会で原口一博委員に対して会長は、要請放送につきましては、我々は、いろいろ吟味した上でお受けする義務といいましょうか、必要があると思っております、こう発言されておりますが、間違いないですね。
○参考人(籾井勝人君) この項は努力規定でございますので、我々としては、それに、要請に基づいていろいろ検討した上で要請を受けるか受けないかということを決めるわけでございます。
○有田芳生君 そうすると、衆議院のこの発言は間違いだったということですね。
○参考人(籾井勝人君) 間違いではありません。同じ趣旨で申し上げたと思います。
○有田芳生君 違うじゃないですか。義務だと言っているじゃないですか。
○参考人(籾井勝人君) 言葉はどうかは別として、いろいろ吟味してと答えたはずでございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) それでは、速記を起こしてください。
○有田芳生君 政府が右と言ったことを左と言えないという発言があるわけですから、そうすると、NHKの立場として、公平中立な番組作りというものをおやりになる気持ちはありますか。
○参考人(籾井勝人君) 放送法の規定に従いやっていく所存でございます。
○有田芳生君 NHKの中を取材しますと、今、会長の発言をめぐって様々な不安が起きているんですよ。具体的に幾つか言いますけれども、もうこれは報道もされましたけれども、「ラジオあさいちばん」で脱原発を語ろうとした教授が、それはしゃべらないでくれということが報じられましたけれども、これは事実ですか。
○参考人(籾井勝人君) 一月三十日に放送する予定でありましたが、この問題については、今回は選挙期間中でもあり、テーマの変更を求めたもので、コメントそのものを修正するような注文はしておりません。
○有田芳生君 現場というのはいろいろ起きていまして、例えば、ピーター・バラカンさんが一月二十日のあるラジオ番組で語っております、二つの放送局から都知事選挙が終わるまで原発に触れるなということを言われたと。バラカンさんは具体的な番組名は言っていませんけれども、ピーター・バラカンさんが担当している番組というのは、一つはNHK・FMなんですよね。こういうことは御存じですか。
○参考人(籾井勝人君) その方そのものは私ちょっと存じ上げなくて申し訳ないんですが、放送法は、政治的に公平であること、意見が対立している問題にはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを定めております。
都知事選では、御承知のとおり原発問題が争点の一つとなっており、期間中の番組はより公平性を期する必要性があり、いろいろ検討した結果、出演が取りやめられたということでございます。
○有田芳生君 演劇とか音楽の評論家は、選挙期間中、ある特定の支持者を推薦したりしているとNHK出られないんですよ。音楽の話もできないんですよ。演劇の話もできないんですよ。原発の話するわけじゃないんですよ。ところが、経営委員の百田さんとかはとんでもない発言しているわけでしょう。これはつじつま合わないじゃないですか。
○参考人(籾井勝人君) この方たちは番組に出演されたわけではございません。
○有田芳生君 つまり、二〇〇五年以前の海老沢勝二体制が復活するのではないかという、そういう危惧をNHKの人たちはいっぱい持っているんですよ。いわゆるおもんばかり体質、こういうことをやると会長からいろいろ言われるんじゃないかな、それが上から下までずっと浸透したのが海老沢勝二体制の二〇〇五年以前なんですよ。だから、現場で既にこういう言わば自主規制みたいなものが起きているとこれからの公共放送としてやはり不安が起きるというのは、NHK内部だけじゃなくて国民も多く感じているから先ほどのように多くの批判が来ていると思うんですよ。いかがですか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
海老沢会長時代のことについては私は新聞以外は知りませんが、今なぜそういうことが起こっているかということは、また私そのものを全く知らないでの風評で、誰がそういうふうに言っているか分かりませんが、私は生来、経営というものは自由闊達ということをモットーにしておりますので、今からその線で進めていきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 要するに、会長の発言をきっかけにして国際的にも様々な問題、BBCなんかも非常に遺憾の意を発しておりますけれども、そういうことが順々にNHKの中にも浸透していって、空気として自主規制、萎縮効果が現れているんですよ。だからこそ、放送法に違反し、しかも、会長の立場でいえば役員の服務準則の信用失墜行為やっていると思われませんか。
○参考人(籾井勝人君) 私の私的見解の発言によりいろんな方に御心配と御迷惑を掛けたということは、私は冒頭に陳謝したとおりでございます。今後は、放送法にのっとり、NHKというものを健全に経営していく覚悟であります。
○有田芳生君 まだまだお聞きしたいことはあるんですが、国民にとって非常に大事な東京オリンピックの問題についてもお聞きをしなければいけませんので、今からそっちの方向について話を伺います。
まず総理に伺いたいんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピックについて東京都は、コンパクトなオリンピック、あるいはソーラーパネルや低公害車を使ったエコロジカルなオリンピックというふうに何度も言っております。総理も最終プレゼンの中でスポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと思うと語っておりましたけれども、二〇二〇年オリンピックをどのようなものにつくっていくのか、イメージとして国民に伝わるような説明をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、昨年のIOC総会において、スポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと、そのためにIOC委員の皆さんと一緒に働いていきたいということを申し上げたわけでございますが、これは、オリンピック精神、すなわち、スポーツによる人類の調和の取れた発達と平和な社会の推進という考え方を世界に広げていくということとともに、我が国がそのことについて積極的に貢献をしていく決意を述べたわけでございます。
二〇二〇年の東京大会は、東京のみならず日本全体の祭典でありまして、我が国全体が活力を取り戻す弾みとしていきたいと思います。とともに、オリンピック精神を世界に広げていく契機としていくように、東京都や大会組織委員会とも連携して取り組んでいく考えであります。
なお、今御指摘がございましたように、コンパクト、エコロジカルなオリンピックについては、東京都がIOCに提出をいたしました立候補ファイルにおいて、半径八キロ圏内に八五%の競技会場を配置するコンパクトな会場配置、そして二酸化炭素の排出の縮小、都市の緑化の促進等、環境に配慮した大会運営を行うことが記載されているところでございます。
同時に、パラリンピックでもございますから、世界の方々が日本にやってきて、障害者の皆さんにとって東京という町はバリアのない、行きやすい、そして障害者の皆さんにとってもチャンスのある町だということを理解をしていただけるような大会にしていきたいと考えております。
○有田芳生君 文科省にお聞きします。
一三年度補正予算において、東京オリンピック・パラリンピック関連の予算、内容はどのようになっていますか、具体的にお示しください。
○政府参考人(久保公人君) 平成二十五年度補正予算案では、オリンピック、パラリンピックに関係する経費としまして二百八億円を計上しております。具体的には、二〇二〇年東京大会のメーンスタジアムとなります国立霞ケ丘競技場の改築に向けて、現在の国立競技場の解体工事費やJSC本部の事務所等の移転準備などの改築関連事業費二百億円、さらに、トップレベルのアスリートが利用しますナショナルトレーニングセンター等におきまして、パラリンピック選手等の利便性向上を図るための自動ドア設置工事等のための経費となっております。
○有田芳生君 今パネルで見ていただきますけれども、(資料提示)新国立競技場、こういうデザインが出ておりますけれども、これに基づいて、下村大臣、いらっしゃいますか、具体的に規模とか予算とか、そういうものをお示しいただけますか。
○国務大臣(下村博文君) 国立競技場の改築については、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会やその後の国際競技大会の主会場を担うスタジアムとして活用できるとともに、時にはイベント等の文化的な活動においても利用できるよう必要な機能を備える必要があると考えております。このことを踏まえ、建設規模については、観客収容約八万人、延べ床面積約二十二万平米としております。
また、改築に係る工事費については、競技場本体の建設費一千三百八十八億円、解体費六十七億円、周辺整備費二百三十七億円の合計一千六百九十二億円を上限としております。
○有田芳生君 収容人員八万人とおっしゃいました。このスタジアム造るのは、日産スタジアムあるいはロンドンのスタジアムを参考にしたと聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) IOCに対して、JOCあるいは東京都からの一つの約束として、また、このような国際的な競技大会を開く一つの目安としての八万人、それを規模として考えて設計をしております。
○有田芳生君 日産スタジアムの予算は幾らでした、造るのに幾ら掛かりましたか。
○政府参考人(久保公人君) 日産スタジアムの場合は、本体工事費で約七百億と承知しております。
○有田芳生君 日産スタジアムと同時に、ロンドンのスタジアムも参考にしていますけれども、ロンドンは幾らでした。
○政府参考人(久保公人君) ロンドンにつきましては、ちょっと今手元に数字がございませんのでお答えすることはできないということでございます。
○有田芳生君 ロンドンは約八百億円です。日産スタジアムは六百億強ですけれども、それに比べて、日産スタジアム、七万一千人ですよ。今度の東京オリンピックの会場は八万人にするというんだけれども、先ほど大臣が説明されたように、千三百八十八億円掛かる。何でそんなお金が掛かるんですか。
○政府参考人(久保公人君) 日産スタジアムの本体工事費、今六百億、それから周辺整備百億で合わせて七百億でございますけれども、新しい新国立競技場につきましても、本体の工事費自体には、地下駐車場ですとか、それから映像システムがございますので、それを差引きしますと日産スタジアムと二百億ぐらいの差になると思います。国立競技場の場合にはそれに加えまして、開閉式屋根ですとか可動席、それからオリンピック関係の観客に資するための空調あるいはLED等が加算しましてこういう数字になっているわけでございます。
○有田芳生君 新国立競技場八万人は常設の座席ですか。
○政府参考人(久保公人君) 常設でございます。
○有田芳生君 ロンドンはいかがですか。
○政府参考人(久保公人君) ロンドンの場合は一部仮設で、オリンピック終了後縮小した形になっております。
○有田芳生君 ロンドンは五万五千の座席で、三分の二が仮設なんですよ。圧倒的に少ないんですよ。そうじゃないですか。
○政府参考人(久保公人君) 規模的には今おっしゃられたとおりですけれども、ロンドンの場合は日本と違いまして、ほかにラグビー専用の競技場あるいはサッカー専用の競技場がいずれも八万人規模でございます。日本には八万人規模の競技場は一つもないという意味で、決定的な違いがあるかと思っております。
○有田芳生君 この見ていただいているデザインというのは本当に流線形で、ザハ・ハディッドさんという、イラク出身でイギリス人なんですけれども、デザイナーが造ったもので、昨日の夜のニュースなんかでもこの映像の、上からずうっと報じられているんだけれども、これはいつも上から見た映像なんですよね。
ところが、人間の視点で見たらどうなるのか。次に、ちょっとパネルをお示しください。そこを歩く人間の目で見たらどうなるのか。簡単に説明します。上が東京体育館前をJR千駄ケ谷駅前から見たものです。左側にある建物がこれは東京体育館です。今度の建物ができると東京体育館がもう小屋のように見える、こうなってしまう。
あるいは、下にあるのが明治公園前。明治公園というのは今、休みになるとフリーマーケットなどで本当ににぎわっておりますけれども、今度の建設によって一部移転をする。言ってしまえば、明治公園はなくなる。その後にどうなるかというと、こういうすごいコンクリートの建物ができるんですよ。
あるいは、二枚目お示しください。上が日本青年館前です。日本青年館というのは今でもコンサートが行われておりますし、総理なんかも覚えていらっしゃいますでしょうけれども、テレビのドリフの番組なんかが公開収録された場所なんですけれども、そこもなくなるんですよね。どうなるかというと、右見てください、すごいものができる。
さらに、下が首都高速の外苑インターチェンジ入口付近。ここは今でもお年寄りから若い人たちから散歩のコースになっているけれども、今度この新国立競技場ができるとすごい壁が出てくる。
下村大臣、いかがですか、こういうことを知っていましたか。
○国務大臣(下村博文君) まず、ロンドンとの違いですけれども、先ほど局長が答弁をしましたように、ロンドンには既に他の八万人規模のいろんな施設があると、しかし東京はないということの中で、今回はオリンピック、パラリンピックだけでなく、二〇一九年にはラグビーのワールドカップがあると。それから、国際競技等については八万人規模が、これが国際水準となっている中で、IOCに対する、この八万人規模についても約束事であるという前提がまずあります。
その中で、御指摘のように、しかし新しい競技場については、当初の計画からは八万人規模というのは維持しながら縮小しようということで、延べ床面積を大幅に縮小し、そして約二十二万平米としたところでございます。このことによって、当初の設計デザインに比べますと、相当圧迫感を与えない規模に縮小できたのではないかと思っております。
○有田芳生君 パネルを御覧ください。今ある国立競技場と新国立競技場ができた場合の規模と敷地の比較です。敷地はほぼ一緒なんですけれども、そこにできる建物がずうっと巨大なものになっている。この下で様々な周辺に問題が出ているんですけれども、まずこの神宮外苑の地域の歴史的経過について御説明ください。
○委員長(山崎力君) どなたに。
○有田芳生君 文科省。
○政府参考人(久保公人君) この辺りの地域の歴史的な背景といたしましては、まずこの地域は明治神宮内外苑の周辺でございます。この付近は大正期に整備されまして、神宮に奉納された樹林等の豊かな自然環境を有しておりまして、大正十五年に風致地区に指定されているという経緯がございます。この地区は、そういう意味では、森林などの自然環境等都市の風致を維持するために、都市計画法に基づいて地方公共団体が指定する地域となっているところでございます。
○有田芳生君 明治神宮内外苑というのはもう百年の歴史があり、緑が育ってきて、今でも休みになれば、若い人からお年寄りから、そしてタクシーの運転手さんが昼寝をする場所とか、本当に都民の憩いの場所になっているんですよね。それが、こういうでっかい建物ができることによって様々な問題が出てくる。
今お話しになったように、東京都の風致地区の第一号ですよね。それでよろしいですか。
○政府参考人(久保公人君) 済みません、その事実関係については承知しておりません。
○有田芳生君 大正に風致地区の第一号になっているんですが。
じゃ、高さ制限、容積率の変化はどのようなものですか。つまり、具体的に分かりやすく言っていただくために、今ある国立競技場の高さはどのぐらいですか、それが新しくなればどのぐらいの高さになりますか。あるいは、左右の幅、何メートルが何メートルの広さになりますか。具体的にお示しください。
○政府参考人(久保公人君) 高さにつきましては、今の国立競技場は三十・六メートル、これが改築後は七十五メートルの予定でございます。建築面積につきましては、三万三千七百十六平米が七万九千百平米。土地面積は、七万一千平米が十一万三千平米。土地面積だけで一・六倍という感じでございます。
○有田芳生君 つまり、分かりやすく言えば、今三十メートルぐらいなのが、新しいのができると七十五メートルの高さが、さっき見ていただいたようにずっとできてくる。しかも、今の国立競技場は、左右という言い方をすれば約二百二十メートルなのが今度四百メートル、二倍になるんですよ。だから、物すごく敷地を圧迫する。そのことでいろんな問題が出てきているのは御承知ですか。文科省にお聞きします。
○政府参考人(久保公人君) 様々な緑の量の問題、あるいは人の交通の問題等いろいろございます。これにつきましては、最初デザインをコンクールするときから設置者である日本スポーツ振興センターにおきましても十分考えておりましたし、今後、具体的な設計、施工に当たるに至る段階でいろいろと考えながら、あるいは工夫していきたいと考えているところでございます。
○有田芳生君 時間があればお聞きしますけれども、このコンペにも様々な問題があって、結局、さっき示したような本当に巨大な建物ができる。そのデザイン案ができてから都市計画変わっていませんか。先にデザインありき、七十五メートルありきで、その後に、デザインの後に七十五メートルにしたんじゃないですか。
○政府参考人(久保公人君) 今回行われました国際デザインコンクールは、具体的な基本設計なり実施設計の設計コンペとは異なりますので、具体的な形がこうなると詳しく決めたものではございません。
他方で、都市計画を変更するためには、こういう施設にしておかないと、こういう形状のものでないと、だから都市計画変更してほしいと、提案者の具体的な内容が必要でございますので、それが必要な限度でデザインを先に考えたというわけでございます。
○有田芳生君 普通は、都市計画を考えて、その後にコンペをやるのが順番じゃないですか。逆じゃないですか。
○政府参考人(久保公人君) そういう意味では、具体的な基本設計、実施設計は都市計画変更の後にやるわけでございまして、全体のデザインをどうするかというのを先にやったというだけの話でございます。
○有田芳生君 だけの話ではないんじゃないですか。先にばかでかいものを造るということが決まって、それで予算が千三百億から一時三千億になって、それでこれじゃ規模が、掛かり過ぎるなといってまた縮小してきたんだけれども、初めから三千億掛かるようなデザインを選んだじゃないですか。違いますか。
○政府参考人(久保公人君) あくまで国際デザインコンクールを行いましたのはデザインの形を決めるものでございまして、その後、具体的な都市の様々な規制に合わせて具体的な基本設計を行っていくと。それはあくまでも都なり区のいろんな規制を踏まえてのものになるという意味でございますので、先にデザインを行ったというのが順序が逆転しているということではないというふうに考えております。
○有田芳生君 デザインコンクールでザハ・ハディッドさんから模型の提出はありましたか。
○政府参考人(久保公人君) 模型の提出は求めておりませんので、特にございません。
○有田芳生君 これは異常なんですね。やはりそういうものがあるのが普通だというのが、これは国際的な建築家の槇文彦さんたち、昨日、日本外国特派員協会でも記者会見をやっておりますけれども、そういう当たり前の道筋を通らずに、先に七十メートルから七十五メートルを造るということを決めて、その後に都市計画を変更している。これはおかしいんですよ。おかしくないですか。
○政府参考人(久保公人君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、国際デザインコンクールにつきましては、具体的な基本設計、実施設計でない、全体の形をどういうデザインにするかというコンクールでございますので、その形を決めて、それをこういう形でやりますよということを踏まえて提案を都にいたしまして、都はそれを受けて都市計画の変更が必要があるからということで手続を踏んでいただいたわけでございます。
○有田芳生君 おかしな選考経過なんですが、ザハ・ハディッドさんへの謝礼は幾らですか。
○政府参考人(久保公人君) 賞金が二千万円と、あと監修料が三億円と聞いております。
○有田芳生君 これから監修料などを含めて十三億お払いになるんじゃないですか。
○政府参考人(久保公人君) それにつきましては、まだ決まっておりません。
○有田芳生君 さっき示したような上からだけのデザインコンクールをやって、そこに賞金二千万円、さらに今後監修料として十三億払うと。これは、自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトにそう返答されているんですよ。
大臣、いかがですか。ちょっと普通の金額じゃないんではないかと思いますけれども、どうお考えですか。
○国務大臣(下村博文君) このデザインが選ばれたということで、このデザインを基本ですが、デザインどおりの設計ではなくて、これは当初の案よりも相当縮小してコンパクトにしております。ですから、コンパクトな中での設計でのことですので、今局長から答弁がありましたが、金額そのものも変更あり得る話だと思います。
○有田芳生君 東京都が専門家もいない都市計画審議会の中で議論もなく決めてしまって、現地である渋谷や新宿区の例えば都市計画審議会などでは、これは問題だと、何とかしてほしいという意見が出ているんですよ。それはやはり、自然を守らなければいけないというだけではなくて、人間を守らなければいけないんですよ。
文科大臣、いかがですか。周辺住民への影響をどうお考えですか。
○国務大臣(下村博文君) 風致地区ということもございまして、できるだけ周辺の方々の意見を聞きながら配慮していきたいと思います。
一方で、八万人規模というのは、先ほどから申し上げていますが、国際的な競技スポーツの基準としてはこれは目安でございますので、やっぱりどうしてもその規模の施設を造るということは、これは必要なことでありますし、つまり、これはオリンピックだけではなく、二〇一九年のワールドラグビーもありますし、それ以降についても国際的な競技等を是非招致するためには受皿が必要であります。
ですから、そういう両方のバランスの中で地元の理解を得られるようにしながら配慮していきたいと思います。
○有田芳生君 オリンピックは成功させなければいけませんけれども、しかし、人間をじゅうりんするような形ではまずいと思うんですよね。
私は、現地の住民たちにもお話を伺いました。例えば、今ある国立競技場でコンサートが行われると物すごい音響が響いてくる。年に一、二回だから我慢をされているけれども、例えば中にコンサートの観客が五万人いても、ファンたちがその周りに三万人ぐらい来るんですよね。そして、ダフ屋もいたり、大変な混乱がある。音楽は聞こえてくる。
ところが、今度新しい競技場ができると、さっき示しましたけれども、目の前に、今だったら七十メートル先に歩行デッキがあるからそこを人が歩いているのが見えるんだけれども、今度は自分の家のマンションの目の前に人がずっと、何万人もの人たちが歩いていくわけですよ。そういう影響を考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、音楽等のコンサートについては、そのようなことから年に一回程度しか開催しないということがこれまでの国立競技場の在り方でありました。
しかし、今回、新たな国立競技場においては収益性も是非確保する必要があると。そのために、大規模なコンサートについても年一回ということではなく、市場調査した中、少なくとも年十回ぐらいは可能であろうと。しかし、その場合には騒音等の問題がありますので、これを開閉式で屋根を付けると。ですから、コンサートのときにはその屋根を付けますので、そのような騒音等で周辺に迷惑を掛けないような形でコンサートができるような配慮を考えています。
○有田芳生君 文科省、今お話にあった年間維持費と収益、その予測をお示しください。
○政府参考人(久保公人君) この競技場の収支見込みでございますけれども、日本スポーツ振興センターにおいて試算した額では、収入が年間約五十億円、支出が維持管理費が約四十六億円で、収支につきましては約四億円の黒字と試算しているところでございます。
○有田芳生君 捕らぬタヌキとは言いたくないんですけれども、これから少子高齢化時代において、コンサートで本当に、五万でも八万でも、それだけの人が集まるか。
例えば、日産スタジアムだったら七万一千人の観客だけれども、そこがいっぱいになるのはサザンオールスターズのコンサートだけなんですよ。あとは、スポーツのときなんかは観客席減らしているんですよ。
そういう現状があるのにかかわらず、これからの収益見通しというのは非常に甘いんじゃないですか、音楽コンサートをやるにしても。
○政府参考人(久保公人君) これにつきましては更に詳細な検証を行うこととしておりますが、ただ、基本的には、五万人であっても八万人であっても使用料というのは一定額でいただくことになりますし、それから、現在いろんなところに、プロモーターに聞いたところによれば、かなり日本全体で、そういうコンサートをやりたいところがあるんだけれども、量的な問題があって十分でき切れていないところもあると。したがいまして、十分に新しい競技場を造りましても回数はこなせるんじゃないかと、今のところは考えております。
○有田芳生君 時間も来ますので急ぎますけれども、先ほど大臣から屋根の話が出ました。屋根を造ることによってかなり予算が拡大したということはありませんか。
○国務大臣(下村博文君) 日産スタジアムの話がまずありましたので、東京ドームでは、これは五万人規模ですけれども、年間三十回以上しております。ですから、東京でやる場合に、世界からアーティストも呼べるということも含めて、十回というのは決して難しい数字ではないということでございます。
それから、当然、開閉式の屋根を造るということで、その部分は費用が掛かります。しかし、年一回が年十回程度のコンサート等収益事業ができるということで、結果的には運営費は赤字にならないと、そういう試算であります。
○有田芳生君 文科省、開閉の費用は一回動かすのに幾ら掛かりますか。
○政府参考人(久保公人君) 屋根を一回動かすに当たって、今の見込み、大体で一回一万円の感じになっております。
○有田芳生君 一万円で動くんですか。
○政府参考人(久保公人君) もちろんそれは電気代だけでございますので、仮にそれのために人件費が要るとしたら、それはまた別計算にはなることになります。電気代だけで一万円ということでございます。
○有田芳生君 開閉式の屋根を造る予算、幾らですか。
○政府参考人(久保公人君) 開閉式の屋根の工事費につきまして、現在約百二十億円と見込んでおります。
○有田芳生君 百四十八億と言っていたのが減ってきたわけですから、それはいいことですけれども、しかし、例えばモントリオールのオリンピックで初めて屋根が付くんですけれども、実際にはオリンピックに間に合わずに何年もたってから完成するんだけれども、結果的に八十八回開いただけでもうひびが入ってきたりして大変なことになっているんですが、そういうことは御存じですか。
○政府参考人(久保公人君) 技術的にもいろいろ工夫する余地があるということは承知しておりますけれども、この屋根を付けました場合と付けない場合とでは収支が、付けた場合ですと四億先ほど黒字と申し上げましたが、付けない場合は約六億近くの赤字になりますので、差引き十億の差が出ると。これは、百二十億ですと、十二年ぐらいで元が取れるというふうに考えているところでございます。
○有田芳生君 強風、あるいは雪が降ったときは屋根はどうされますか。
○政府参考人(久保公人君) 今回の開閉式の屋根につきましては、基本的に競技場ですので、芝生を養生するために開けておくのが基本になっておりますけれども、雪あるいは暴風雨がどの程度のものかによると思いまして、現実には、具体的に運営するに当たって、その強度、屋根の強度と、あとは暴風雨の強さに応じて適切な判断をしていくことになると思います。
○有田芳生君 これまでは強風だったり雪が降ったらもう開けてイベントは中止するんだという説明がありましたけれども、違うんですか。
○政府参考人(久保公人君) 屋根を開けておくというのは主としてサッカー、陸上とかスポーツの場合でございまして、イベントのときには雨が降ると基本的に閉めて雨にぬれないようにするというために開閉式にしているということもございます。
○有田芳生君 二〇二〇年オリンピックの開会式、八万人入るわけですけれども、そのときの冷房費用なんかはもう検討されていますか。
○政府参考人(久保公人君) オリンピックだけでいきますと、このコストは十八日間で約八百万円程度と試算しているところでございます。
○有田芳生君 要するに、何が言いたいかというと、やはり余りにも大き過ぎる、それをやはりもっともっとお金も規模も少なくしていく必要がある。
あるいは、じゃ、お笑いですけれども、大臣に聞きますけれども、国際オリンピック委員会のオリンピックムーブメンツアジェンダ21、施設についてはどういう評価をされていますか。
○政府参考人(久保公人君) お尋ねのオリンピックムーブメンツアジェンダ21におきましては、競技施設につきまして、土地利用計画に従って、自然か人工かを問わず、地域状況に調和して溶け込むように建築、改装されるべきであるとされております。また、新規施設の建築及び建築地所につきましては、地域にある制限条項に従わなければならず、また、周りの自然や景観を損なうことなく設計されなければならないと定められております。
○有田芳生君 防災のことなどについてもお聞きをしたいんですけれども、時間の関係もありますので、最後にパネルで北京の鳥の巣とそれから今度新しくできる新国立競技場を比較してもらったら分かるんですけれども、新しいスタジアムと北京の鳥の巣は大体同じ大きさなんですよ。ただ、敷地が、見ていただいたら分かるように、二倍あるんですよ。だから、周りの住民なんかに対しても、余り環境問題も含めて影響がない。ところが、日本は本当に狭いところに大きいものを造ろうとしますから、やはりこれからでも、例えば八万席を常設にせずに仮設にするとか様々な工夫をしてやはりお金を減らしていってもらう、そして環境についても優しいものを是非とも造ってもらいたいというふうに思います。
総理、今まで流れ聞いていらして、どんな印象を持たれますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、有田委員が指摘された論点は大切な論点だと私も思います。
その意味において、これは大切な、これは都のお金であれ国費であれ税金で賄うものでありますから、できる限りコンパクトなもので、他方、これは競技に必要な要求もございますから、この要求を満たしながら、景観を余り悪くしないように努力を重ねながら更に検討をしていく必要があるだろうと思っております。
○有田芳生君 次に、葛西臨海公園のカヌー会場についてお聞きをしたいと思います。
まず、国交省にお聞きします。臨海公園の歴史的成り立ちを御説明ください。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。
葛西臨海公園は、地盤沈下により水没した土地の復元と新たな土地の造成を目的に昭和四十七年から平成七年にかけて東京都が実施をいたしました葛西沖開発土地区画整理事業、約三百八十ヘクタールの造成地内において、東京都が都市公園として整備及び管理を行っているものでございます。
同公園は、昭和六十年から整備に着手、平成元年に一部供用を開始、平成八年におおむね全園を供用しているところでございます。
○有田芳生君 今図で示したところにカヌースラロームの競技場が造られる予定なんですけれども、しかし、ここには絶滅危惧種も含めて非常に多くの野鳥あるいは植物、昆虫などが、物すごい子供たちが喜ぶような場所になっている、これまた市民の憩いの場所なんですよね。
環境省にお聞きをしますけれども、ラムサール条約の条約湿地登録の基準に当てはまる場所はありませんか。
○政府参考人(星野一昭君) ラムサール条約に登録されるための条件の一つといたしまして、九つの国際的な基準のいずれかに該当する必要があるという基準がございます。
葛西臨海公園及びその南側の浅瀬には多くの水鳥が飛来しておりまして、環境省の調査では、年によって変動がありますけれども、平均してスズガモが一万羽以上、カンムリカイツブリが一千羽以上飛来しているということでございます。
ラムサール条約登録の国際基準には、水鳥の種の個体群の総数、これの一%以上を支える湿地であるという基準もございます。したがいまして、葛西臨海公園とその南側の浅瀬につきましてはこうした基準を満たしている可能性があると環境省の調査でも評価されているところでございます。
なお、ラムサール条約に登録されるためには、この国際的な基準に該当することのほかに、国の法律により将来にわたって自然環境の保全が図られることや、地元自治体などから登録への賛意が得られることが必要となっております。
○有田芳生君 今、見ていただきたいんですけれども、例えばスズガモがこのぐらいいつも飛んでいる、六万五千羽ぐらい集まってくるときがある、こういうことがしばしば見受けられる場所で、日本野鳥の会東京の調べでは野鳥だけでも六十種類以上この場所にいる。そこに新しい競技施設ができることによって自然環境が破壊される可能性が非常に高い。
カヌー会場は汐風の広場に造られますけれども、その広さ、高さ、水量などについてはどうなっておりますか。文科省、お答えください。
○政府参考人(久保公人君) カヌー競技会場の具体的な中身につきましては、現在、御指摘のこの葛西臨海公園内で、国際競技団体が求める施設基準あるいは選手村からの近さ、大会後に都民が水辺に親しめる施設とするための利便性等を考慮して決定されたと承知しておりまして、具体的にはこの公園の西側の一帯に設置される予定でございますけれども、広さ、高さ、水量につきましては今後の設計いかんということでございまして、現時点ではまだ未定ということでございます。
競技に必要な水量を循環させる技術も必要でございますけれども、これはロンドン大会などの例を参考にしながら、今後必要な仕組みを確保していきたいとしているところでございます。
○有田芳生君 水量については、日本野鳥の会の東京などに対して説明があって、一秒間に十三トンの水を流さなきゃいけないんですよ。十三トンですよ。小学校のプール十個ぐらい一秒間に流す、そういう施設を造るというんですが、その先に、見ていただいたら、ちょっと分かりにくいかも分かりませんけれども、先に貯水池というのを造る。そこにコンクリートの深いものを造って、そこに水がざあっと流れていって、ポンプで循環させて、とにかく一秒間に十三トンぐらいの水を流さなければこの競技はできないんですよ。そうしたことが環境に影響するその割合というのは評価されているんでしょうか。
○委員長(山崎力君) 久保室長代理、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(久保公人君) 東京都によりますれば、この具体的な環境への配慮につきましては、詳細な環境影響評価に着手しておりますとともに、地元の江戸川区や日本野鳥の会などとも協議を行いまして具体的な検討を進めていると伺っているところでございます。
○有田芳生君 結論のところで大事なんだけれども、残り短いですけれども、午後に回させていただきます。
○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
午後一時に再開することとし、休憩といたします。
午前十一時五十四分休憩
─────・─────
午後一時開会
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
平成二十五年度補正予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
先立ちまして、私の言葉が不十分だということで、改めて明確に指名したいと思います。有田芳生君。よろしくお願いいたします。
○有田芳生君 有田芳生です。
午前中は、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるために、しかし、なるべく無駄のない競技施設を造るために新国立競技場はどうあるべきか、あるいは自然環境を破壊しないために、葛西臨海公園に造られる予定のカヌーの競技場、そこはどうあるべきかということをお聞きしました。
まず最初に文科省にお聞きをしたいんですけれども、カヌー会場では、先ほど最後に私が発言しましたけれども、一秒間に十トン、多い場合には十六トンもの水を流さなければいけないような会場、その先に貯水池ができるわけですけれども、どういう自然環境かを教えてください。
○政府参考人(久保公人君) カヌー競技会場の予定地でありますのは都立葛西臨海公園でございまして、自然豊かな都民の憩いの場でございます。したがいまして、競技会場の整備に当たっては環境の保全に配慮する必要があると、そういうような地であるというふうに承知いたしております。
○有田芳生君 午前中にもパネルでお示しをしましたけれども、このように、その競技会場の近くではスズガモが多いときには二万、三万、六万を超えて飛んでいるところ、六十四種類以上の野鳥がいるということを日本野鳥の会の東京は調べております。そのほかにも、午前中でお聞きしましたけれども、絶滅危惧種の鳥もいればクモもいる、そういう自然環境がいいところで、小学校たちが自然学級などでしばしばやってくるところです。その自然豊かな場所が、この競技会場ができることによって、例えば芦ケ池、これはなくなってしまうわけですね。文科省、お答えください。
○政府参考人(久保公人君) そこの詳細については現時点ちょっと資料がなくて承知しておりませんが、御指摘のとおりなのではないかというふうに推測いたします。
○有田芳生君 最後に、この競技会場建設整備予定地、見てください。赤く囲まれたところですけれども、ここにカヌースラローム会場ができると、高さ七十メートルの観客席一万二千が入りますと、その横にある公園からは富士山が見えなくなるということを含めて、憩いの場が大きく変貌してしまいます。
下村大臣、こういう自然環境にかなり大きな影響を与える可能性があるこの会場、場所を変えるということは不可能でしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、このカヌー競技会場の予定地である都立の葛西臨海公園は、野鳥も大変多い、自然豊かな都民の憩いの場であるということでありまして、競技会場の整備に当たってはその環境の保全に十分配慮する必要があるというふうに私も思います。
会場の整備主体である東京都においては、詳細な環境影響評価に着手、既にしているというふうに聞いておりますし、また、地元の江戸川区、それからお話がありました日本野鳥の会とも協議をし、具体的な検討を既に進めているというふうに承知をしております。
こうした中で、会場整備による生態系への影響をできるだけ最小限にし、都の絶滅危惧種が消滅することがないように東京都において適切な配慮がなされていくものであるというふうに思いますが、必要があればサポートさせていただきたいと思います。
○有田芳生君 そこを見ていただきたいんですが、その赤く囲った下に実は第二駐車場という敷地があるんですよ。現地に行ってみれば分かりますけれども、十分このカヌー会場を造ることができるんです。これは、実は自民党の方々も、これいいじゃないかとおっしゃっている方がいるんですよ。しかも、ここに造れば、自然環境を破壊されないだけではなくて、やはりIOCも、場所を変更するわけでもありませんし、江戸川区も賛成、日本野鳥の会も、ああ、これは助かるということになるわけで、是非ともこれを検討していただきたいというふうに思います。
時間ですので、最後、総理、一言だけ、人間と自然に優しいオリンピックを是非とも成功させる、そのお気持ちをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま有田議員からいろいろと有意義な御指摘をいただいたと、このように思います。そうした御指摘も踏まえながらしっかりと検討していただきたいと思います。
○有田芳生君 終わります。