2014.2.6参議院予算委員会議事録<東徹>

○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
まずは、統治機構改革、大阪都構想について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
今、日本の経済は、株価の上昇が示しますように、アベノミクス第一の矢である金融緩和、一定程度効いておりまして、デフレ脱却に向けて一歩前進しているんだろうというふうに思っております。ただ、その景気回復の効果というものは日本全体に広がっているのかといえば、残念ながら私は十分にまだ広がっていないというふうに思っておりまして、それはやはりアベノミクスの第三の矢である成長戦略というものがまだまだこれからだというふうに思っております。
そしてもう一つは、やはりこの日本の構造が東京一極集中、そして中央集権体制、ここがなかなか打破できないということも原因であるというふうに思っております。主要都市、ニューヨーク、ロンドン、いろいろありますが、世界の主要都市の中でも東京だけが人口がどんどんどんどんと増えていっている。人も企業も東京一極集中に歯止めが利かない、そういう状況になっております。やはり東京一極集中は良くない。東京オリンピック招致は大変歓迎できるものでありますけれども、その経済効果、いろいろと言われておりますが、それもやはり東京に集中するんではないだろうかと、こういうふうに思っております。これから東京も首都直下型地震に備えるためにも、やはり日本の構造をまずは二極化、そういうふうにしていくことということが大事だというふうに思っております。
大阪都構想、これは成長戦略でありまして、そして真の住民自治をつくっていくことであります。大阪府の力と大阪市の力と合わせて力を強くしていく、その強い力で大阪を発展させていく。そして、住民に身近なきめ細やかなサービスを提供できる基礎自治体をつくっていく。成長戦略と真の住民自治をつくることが大きな目的であります。
一つパネルを用意させていただきました。(資料提示)これは大阪都構想の柱、三つの柱でありますけれども、分権化、これは真の住民自治をつくることであります。二十四区を五つか七つの特別区に再編していく、教育、福祉などの行政サービスを展開していく。そして、二番目の集権化、これは府と市の広域行政を一本化することで、大阪全体の経済戦略や産業整備など、広域的かつ長期的な都市戦略が実行できるようにしていく。そして民営化、これは地下鉄、水道などの事業民営化、株式化によって新たな財源を生み出す。また、固定資産税などの収入も見込んでいく。そして、特別区にしていくことによって平成四十五年までに累計で一千四百億円の経費、財源というものを生み出していく。そして、民営化で六千二百億円の地下鉄の資本価値ということも試算をされております。
そういったことで、この大阪都構想というものは、大阪の成長戦略、そして真の住民自治をつくっていくこと、その二点に尽きるというふうに考えております。
約七十年前、昭和十八年の新聞記事を見ますと、府市二重行政の弊を排し帝都行政の高度の能率化を図る、これは七十年前に東京府と東京市が東京都に移行したときのことを報じた新聞記事でありまして、それに遅れること七十年になるわけですけれども、今、大阪都構想を目指しております。日本の構造を東京一極集中ではなくてまずは東京と大阪で二極化にしなければならない。安倍総理は施政方針演説でやればできるというふうにおっしゃっていましたけれども、大阪都構想も必ずやればできる、むしろ、この日本の将来のことを考えれば、大阪都構想は何としてでもやらなあかん、そういう思いであります。大阪都構想は、当然、大阪のためのものではなくて、これは日本のためでもあります。
そして、ただ、やっぱりこれを進めていこうとすると、統治機構を変えるというのは大変な抵抗に遭うわけでありまして、今まで持っていた議員の身分であるとか権限とか、予算、お金とか、そういったことが変わっていくわけですから、これは本当に大きな抵抗があります。しかし、やはり決める政治というのは重要でありまして、議論のための議論ばかりを続けていたのでは問題を先延ばしして決めさせない、それが現在の政治の有様だというふうに思っております。
是非とも、この大阪都構想、行政の無駄を生んできたこの統治機構を変えていくまさにドリルになるというふうに思っておりまして、そこで、自ら岩盤規制に対するドリルになるというふうにおっしゃっております安倍総理にお伺いいたします。
少子高齢化の進む中、しかも莫大な借金があって財政的にも厳しい我が国にとって成長戦略が大事であるというふうに考えておりまして、これからの地方自治制度や大都市制度のあるべき姿とはどのようなものかお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今年のというか、今年からの大きなテーマとしては、元気な地方をつくっていくということに尽きると思います。地方の活性化、地方の自立性と自主性を高めることで個性豊かな地方が生まれるというふうに考えているわけでありまして、そのためにも、これは国から地方へ事務権限移譲を進めていく、規制緩和を進め、地方分権の徹底を図っていきたいと、このように思うところでございます。何といっても、地域のことを一番よく分かっている、地域で何をすべきかということが一番よく分かっているのはその地域の方々であろうと、こう思うわけであります。
また、大都市自治の在り方については、昨年、第三十次地方制度調査会から答申をされたとおり、都道府県から指定都市への権限移譲や指定都市における住民自治の拡充を進めていくことが重要であるというふうに考えておりまして、このため、地方自治法等の改正案を今国会に提出したいと考えております。
○東徹君 本当に今まで府と市ということで非常に不毛の議論を長年やってまいりました。なかなか、今は同じ政党の首長同士がおりますので府市の統合に向けて非常に財政的に削減効果もやっていっておりますけれども、なかなか議論だけでは進みません。
大阪都構想というのは、議会で決めるものではなくて、最終的には住民投票で決めるものであります。住民投票の結果、大阪都構想が住民の皆様から賛同を得た場合、示された貴重な民意を尊重するために、大阪都構想を実現するために必要となる法改正が必要となってまいります。早急にしなければならなくなってまいりますけれども、是非とも御協力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大阪都構想については、大阪府と大阪市において大都市地域特別区設置法に基づく特別区設置協議会が設置をされ、構想実現に向けて協議が行われているものというふうに承知をしております。
そして、政府としては、同法に基づく住民投票が実施され賛成多数となった場合、まあこれは仮定の質問ではございますが、賛成多数となった場合には、同法の規定に従い法改正等の必要な手続を進めてまいりたいと考えております。
○東徹君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
次に、リニア中央新幹線についてお伺いをいたします。
我が国にもたらす推定八千七百億円もの経済効果があると言われておりますリニア中央新幹線、過度な東京一極集中の是正、東西分断の回避、産業競争力の強化、これは本当に大事な成長戦略であるというふうに考えておりまして、大事な成長戦略をしっかりとやるためには、東京―大阪間の開通の方が事業の効果としても大きいし、これはインパクトがあるというふうに考えておりますが、東京―名古屋―大阪間の同時開業を目指すべきというふうに考えますが、安倍総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一九六四年に東京オリンピックが開催をされた際には東海道新幹線が開通をいたしまして、私も初めて「こだま」に乗ったときの感激を覚えているわけでありますが、このリニア中央新幹線は日本が誇る世界最先端の鉄道技術を用いるものでありまして、まさに夢のプロジェクトと言えると思います。
具体的な工事の進め方については、建設主体として費用を自ら負担するJR東海においていろいろとお考えになっているものというふうに承知をしておりますが、政府としても、来年度税制改正案において本事業に係る税制上の優遇措置を講ずることとしております。今後、事業が着実に進むよう、できることはバックアップしていきたいと考えております。
○東徹君 東京―名古屋だけでは更に東京一極集中、ストロー現象が起こるというふうにも言われておりまして、是非とも東京―名古屋―大阪間の全線開通を目指していっていただきたいというふうに思います。
続きまして、地方交付税制度についてお伺いいたします。
現在の地方交付税制度では、地方が自らの努力によって収入を増やす努力を行った場合、また歳出削減を行っていった場合、その分地方交付税というものが減額されるというような制度となっておりまして、地方のやる気をそぐ制度というふうになっております。是非、地方の努力が報われるよう、地方交付税制度を改革するおつもりがあるのかどうか、どのように改革されるのか、これは新藤総務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) これは是非委員からも関係する方々、また御関心のある方々にお伝えいただきたいと思うんですが、地方交付税制度は、まず、歳入においては、そもそもが元々入ってくる自分たちの歳入の七五%分が交付税措置上の収入になっていて、二五%は必ず自分たちの手元に残るようになっているんですよ。ですから、税収が増えれば増えるほど自分のところで手元に残るお金が増える仕組みになっている。それから、歳出は、必要な基準財政需要額という歳出の枠がありますから、その枠の中で、例えば行革を行う、人件費をカットするとか定員を削る、そうすると、その分が、削れた分はほかの行政経費に回せるということで、行革をすればするだけ自分たちの自主的な、ほかの工夫するお金が使える仕組みになっているわけであります。
ですから、この交付税制度を生かしながら、これは財源を保障し、かつこの調整をする、そういった中で全国的な生活のレベルアップをしていこうと、こういうことでありまして、これに私は、頑張った地域が報われる、こういうものを入れたものに変えていきたいと今作業しているところでありますが、いずれにしても、この制度をしっかりと理解をして、そしてまた御活用いただきたいと、このように思います。
○東徹君 是非とも頑張った地方が報われるような制度に変えていただきたいと思います。
続きまして、臨時財政対策債についてお伺いをいたします。
平成二十五年度補正予算では、合計して約一・二兆円もの莫大な金額が基金として積まれております。安倍総理は、先日の施政方針演説においても財政再建に取り組むということをおっしゃっております。是非とも、臨時財政対策債についてでありますけれども、平成二十五年度は約四十五兆円、平成二十六年度では約四十八兆円と、ますます積み重なっていっております。基金など制度上使い道が十分に精査されないものではなくて、財政再建を進めるために、その予算を地方交付税増額に充て、臨時財政対策債の新規発行額を抑えるということに用いるべきではないでしょうか。政府のお考えをお聞きしたいと思います。
○委員長(山崎力君) 麻生財務大臣からまずお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方の財源不足ということが一番問題点なんだと思いますが、国と地方がお互いに協力し合ってこの財政健全化の取組を進めていくなどの観点から、これは国が赤字国債の発行によって調達した金で地方交付税というもののいわゆる特例加算、特例加算しております。そして、地方の借金である臨時財政対策債の発行というものと二つあるんですが、国と地方が半分ずつ補填するということを基本としております。
これ、仮に、地方の財源不足に対してその半分ずつ補填するということをやめて、麻生内閣は三回ぐらいやめておるんですけれども、地方がしんどいということでやめたんですが、地方交付税の法定率の方を引き上げたとすると、これは地方の財政状況の悪化に対して地方が責任を負わないで国だけが全額負いますということになりますので、これは地方といっても四十七都道府県いろいろの知事さんもおられますので、これはちょっと悪用しようと思えば幾らでもやり方、やられたらとてもたまりませんから、やっぱりこちらもちょっとお国のお金を預かっている立場としてはそんな簡単な話はとてもできませんので、きちんと対応させていただかなきゃいかぬ。
また、地方に比べて、これは御存じのように、悪化しておりますのは国の財政状況なんであって、リーマン・ショックの後というのはちょうど麻生内閣だったんで、あれ以降の五年間で地方の借入金残高というのは二百兆円でほぼ横ばい、約一兆円ぐらい増えたぐらいになっておる、それは臨時特例債のところを全部国で補填しましたから。他方、その分だけ国の長期債務残高は六百二十一兆円から八百十一兆円と、その分だけわあっと増えたということになって、百九十兆円ぐらい増加するということが見込まれております。
したがいまして、地方と比べて国の財政状況が著しく悪化しているというのはもう数字の上でも明らかでもありますので、こういったことを踏まえれば、地方の財政健全化というものは国の財政健全化と整合的な形で進めていくことが必要なんだということは是非御理解をいただければと存じます。
○国務大臣(新藤義孝君) 手短にいたします。
臨財債、出していいわけがありません。ですから、それに頼らない財政体質、財政構造をつくっていくことが重要であります。そして、それは税収を増やすこととそれから歳出をカットすることでこの財務体質を強化することなんです。今年度は、おかげさまでアベノミクスの効果によって税収が全体上がりました。臨財債は六千億少なく発行することになっているわけでありまして、今後も続けて努力していきたいと思います。
○東徹君 臨時財政対策債というのは元々暫定的な措置であったはずのものでありますし、本来、国の借金を地方にツケ回ししているような私は制度だというふうに思っておりまして、臨時財政対策債、これは廃止すべきというふうに考えておりますけれども、新藤総務大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) これは別に国の借金を地方に回しているわけではありません。地方に必要なお金を国と地方が折半して手当てをしていると、こういうことなんであります。
ただ、この臨財債は出さないで済む方がいいに決まっているんです。実際に平成十九年、二十年は新規発行をしなくて済んだんです。ですから、みんなで頑張って、地域、全国津々浦々に活性化をして、そしてそれぞれの地域の自立性を高めることで、また歳出構造を見直すことで財務体質を強化する、そして臨時財政対策債を発行せずに済むような地方運営ができるように努力を重ねていきたいと、このように考えております。
○東徹君 この臨時財政対策債というものは、本来、地方自治体が国から受け取る地方交付税の不足分を補うために発行するものであります。ただ、国が非常に財政的に厳しいからということで、満額発行できないから地方に臨時財政対策債を押し付けているというふうな制度だというふうに認識をいたしております。是非、地方交付税の法定率の引上げと臨時財政対策債の廃止をしていただくことを求めまして、質問の方を終わらせていただきます。
ありがとうございました。